資産家の職業とは?お金持ち=資産家ではない?!

生き方

資産家の職業と聞けば、漠然と企業オーナーや不動産投資家などをイメージする方も少なくないでしょう。ただし、お金持ち=資産家とは必ずしもならないことは、一般にはあまり理解されていないのではないでしょうか。お金持ちのタイプと資産家の職業について、今日は考えてみましょう。

2019.12.12

お金持ち=資産家ではない?お金持ちの3タイプとは?

さて、「お金持ちの職業こそ資産家である、」などとと思われているかもしれませんが、これは誤った認識です。そもそも「資産家」とは職業ではなく、単に保有する資産を表現している言葉に過ぎないからです。いわゆる「お金持ち」ですが、実質3タイプに分類することが可能です。この中の1つのタイプに「資産家」がある、と理解しておけば良いのですね。 まず1つ目は、キャッシュフロー(収入)が潤沢なタイプのお金持ちです。
そして、ストック(保有資産)が多いタイプ。このタイプは、2つに分けられ、保有する「金融資産」が多いタイプと、保有する「実物資産」が多いタイプとに分けられます。
1つ目のキャッシュフローが多いタイプのお金持ちは、一般的に「高所得者」と呼ばれています。
2つ目の保有金融資産が多いタイプは、昨今しばしば耳にする「富裕層」と呼ばれるお金持ちですね。
そして、3つ目の保有実物資産が多いタイプのお金持ちこそが、本来の「資産家」になる訳です。

3タイプのお金持ちの職業を解説!資産家に多い職業は?

次に、先に触れた3タイプのお金持ちの職業について、具体的に解説します。

1)高所得者

キャッシュフロー(収入)が潤沢なタイプのお金持ちで、職業が企業経営者や開業医の他、大手マスコミや総合商社、外資系金融業界の正社員などがあてはまります。
ただし、これら職業の高所得者は一般に消費活動が旺盛な傾向であり、倹約が苦手な方(立場的に難しい方)も少なくない特徴があります。 このため、高収入にも関わらず手元に残るキャッシュが少ないケースも珍しくありません。傍目からは華やかで、派手な生活を送っているように見えても、ストックが意外にも少ない(場合によってはマイナスである)方も散見される所以で、必ずしも高所得者=資産家とはならないことになりますね。

2)富裕層

ストックの中でも、金融資産(現金、預貯金、株式、債権など)を潤沢に保有するタイプのお金持ちです。必ずしも、高所得者とは限りません。野村総合研究所(NRI)の定義では、純金融資産(金融資産から負債を引いたもの)が1億円以上の世帯を富裕層としており、年収の多寡は無関係です。 保有する金融資産自体は潤沢でも、その金融資産が収益を生まない状態(優良な投資対象を持たない状態)であれば、キャッシュフローが増えることはありません。このため、富裕層には倹約家も珍しくないことが特徴です。富裕層の職業としては、先に述べた高所得者に見られる職業の他、個人投資家や一般企業の共働き社員、自営業、年金生活者なども少なくないのですね。

3)資産家

ストックの中でも、実物資産(不動産、自動車、貴金属など)を多く所有するお金持ちこそが資産家です。資産家は先に登場した高所得者や、富裕層であるとも限りません。不動産(土地・建物)を多く保有する資産家が多いですが、投資用の不動産(アパート、貸家、駐車場など)を所有する方と、自家使用の不動産(自宅、事務所など)の資産価値が高い方と、2つに大別されます。 優良な投資用不動産を所有し、適切に運用されているならば、長期にわたって安定したキャッシュフローを得ることが可能です。他方、自家使用の場合では、資産価値の高い不動産を所有していながらキャッシュフローを得ることができず、寧ろ高額の固定資産税の負担を余儀なくされます。 このため、資産価値の高い自宅や事務所を所有する資産家にも関わらず、年収自体は少ない方が散見されることになるのですね。質素倹約を旨とする資産家が少なくないことは、これも理由の一つと考えられます。資産家に見られる職業としては、上で触れた高所得者や富裕層の職業の他に、アパート・駐車場経営者、農林水産業従事者なども加わってくるでしょう。

資産家への道とは?就いている職業は無関係?

それでは、「資産家」に至る道筋にはどのようなものがあるのかを考えてみます。現在の職業はあまり関係ないのでしょうか。富裕層向けメディアなどの情報を総合すると、「資産家」になる道筋は、大きく2パターンあるように見受けられます。 1つ目は、生来の「資産家」のパターンです。先祖代々多くの実物資産(主に不動産)を所有してきた家系に生まれた方か、長い歴史を持つ老舗などの跡取りで、先祖伝来の事業を守るのみならず、信用力と現金収入とを活かして不動産投資を行っている方が多いです。 職業は多岐にわたり、都市部であれば不動産投資業や老舗の自営業の他、給与水準が特段高くない一般企業勤務のビジネスパーソンや、公務員も珍しくありません。地方部であれば、老舗の自営業や公務員の他に、農林水産業を代々営む方も多くなります。 2つ目は、自身や家族が起ち上げた企業・事業を売却して大きな金融資産を得、それを元手に高額の不動産を購入したパタンです。IPO(株式公開)実施もこれに含まれますが、昨今ではハードルの高いIPOよりも、特定の相手への企業・事業売却を選択するケースが増えているようです。 このパターンの資産家の職業は、必然的にオーナー経営者が多くなります。加えて、オーナー経営者が亡くなり、残された家族が企業や事業を承継できない場合、売却を選択して資産家になっているケースもあり得ますね。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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