富裕層が持つ「目標達成力」を高めるために身につけたい3つのこと

2018.11.2

アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は不動産で財産を築いたことで有名です。そんなトランプ氏は1990年、破産の危機に瀕していました。カジノの経営がうまくいかずに34億ドルもの負債を抱えたのです。当時を振り返り、トランプ氏は次のように語っています。

「ここで破産をして諦めるか、それとも挑戦を続けるのか」

この言葉で興味深いのは、挑戦を続けると表現していることです。このような窮地に立ちながらも、そこから抜け出すだけではなくさらなる前進を目指す言葉だからです。ここから、トランプ氏の単なる諦めない心以上の信念を感じさせます。

Amazonの創始者であるジェフ・ベゾス氏も同じように、「危険なのは進化しないこと」という言葉を発しています。

ジェフ・ベゾス氏がAmazonを黒字に転換させるまでの間、1兆円もの赤字を積み上げたのは有名な話です。しかしこれは単なる借金ではなく、投資家や株主からバッシングを受けながらも自ら大量投資を行った結果でした。

大量の商品を用意していつでも顧客に届けるためには、巨大な倉庫が必要と考え、倉庫こそAmazon最大の資産であると考えての投資でした。これは最高の顧客体験を実現しようという、強い信念のもとに行った行動です。自らを支える株主に背を向けてでも、顧客目線を貫く経営を続けたことで、今のAmazonを生み出しました。

このような強い信念を持ちながらもベゾス氏は熱心に勉強し、本を読んでさまざまな考え方を取り込んでいます。強い信念を貫くためには、自分自身が変わる必要もあることを知っているということです。今でこそベゾス氏は家族との時間を大切にし、“ワークライフハーモニー”（仕事と家庭の融合）を大事にしていますが、かつては激高しやすいタイプだったと語っています。ベゾス氏はこれを自覚し、怒りを抑えるための専属コーチを雇っていたとも言われます。

「Social Cohesion(ソーシャル・コヒージョン)に注意してください」

これもベゾス氏の言葉ですが、意味は慣れ合いや妥協はしないということです。周りの人間に迎合することなく、時には反発し合うこともいとわない点では、ビル・ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏と同じです。自分が信じる道を歩み続けるためには、時に周囲と対立することもあるでしょう。それを知っているからこそ、自分の感情をコントロールしようと思ったのではないでしょうか。自らの信念を貫くためには感情をコントロールすることの大切さを、ジェシー・リバモア氏も語っています。

1929年の世界恐慌の中で、株式の空売りを続けたことで莫大な富を築いたのがジェシー・リバモア氏です。若い頃には“突撃小僧”とも呼ばれるほどに、情け容赦なく強気の投資活動をしていたことでも知られます。

そんなリバモア氏も、何度か破産をしてはどん底の生活を味わっています。そのたびに不死鳥のように蘇ってきたわけですが、リバモア氏は“突撃小僧”という呼び名とはまったく異なり、静かな性格の人物でした。破産をした際も、それまでの自身の取引履歴をじっくりと検証し、何が間違っていたのかを明確にして次の投資活動に挑んでいます。そんなリバモア氏は次のように語っています。

「感情を制御することが最も重要である」

リバモア氏は株式市場という、まるで意思を持っているかのような金融市場に魅了されたと語っています。その株式市場に挑戦することそのものを楽しんでいたようです。ビル・ゲイツ氏も世界で初めての“パーソナル”コンピュータであるオルテア8800に惚れ込み、そのためのプログラム言語“Basic”を作るために大学を辞めてマイクロソフトを作りました。

信念とは感情に結び付いた強い気持ちであるように思われます。しかしその信念を貫き通すためには、時に自らの感情を制御することも必要であるようです。それは時として、自分の信念に相反する考えを持った人たちと衝突することがあるからです（ジェシー・リバモア氏の場合、それは株式市場だったようですが）。その衝突の中で感情を抑え、自分の信念を曲げずに目標に突き進むことによって、大きな財産を手にしているということでしょう。

つまり財産は目標ではなく単なる結果にすぎず、強い意思を向ける先は別のところにあることがわかります。“お金持ちになりたい”という強い気持ちだけを持っていてもうまくいかないのは、そこに理由があるようです。

大富豪となった人たちは大抵の場合、最初から強い信念を持っています。ではそのような信念を持っていない人が富豪になる方法はあるのでしょうか。

大事なことは“そこに至る道”を自分で探し出すことです。信念の持ち方がわからない人は、まずそれをどのようにして手に入れるのかを考える必要があります。具体的には、今の仕事においてナンバーワンを目指すことをおすすめします。

どんな仕事でも構いません、とにかく“ナンバーワン”になってください。営業でもないのに、何をもって1番になったといえるのかわからないという方は、まずそこから考えて欲しいと思います。そしてそれを成し遂げた時に、本当の意味で“信念とは何か”がわかるのではないかと思います。