2019年12月9日 更新

【リバースプロジェクト龜石太夏匡】未来づくりとお金のジレンマを抱えて進む

社会的事業を多く手がけるリバースプロジェクトは、株式会社として利潤も追求します。そこに存在するジレンマとは? そして、同社代表である龜石太夏匡氏の波乱万丈な人生から導き出した「お金」とは?を問います。価値観が揺さぶられるインタビュー後半。

これが、今の社会のシステムの中では、絶対的な「お金にまつわること」。ここは、もう、本当に大きな社会システムが変わらない限りは変わらないと思っています。

ジレンマを抱えたまま進む

龜石さん:だけど、東日本大震災があった翌年にはもう成長戦略を訴える社会システム、これも矛盾だと思っているんです。これから少子高齢化になって、モノが溢れて、縮小タームに入っているという時に、なぜか経済規模は、右肩上がりをしなきゃいけないというのは矛盾です。
僕が100万円貸したら、利子を付けて、例えば105万円で返さなきゃといけない。これは必ず5万円成長するっていう見込みが合って成り立ちます。
でも我々は、もう「プランBがない」という地球上で生きるしかない中で、エネルギーも無限じゃなくて有限だ、と分かっている。なおかつ、目減りしていく。しかも世界人口が増えていく。これが金融資本主義の、僕はジレンマだと思った。もう限界だと思ったんです。
次世代に世界を手渡す責任として、「この社会システムはおかしいんじゃないかな?」と問わなきゃいけない。それを僕はエシカルに繋がると思うし、SDGsに繋がることだと思っている。全世界でそういう流れが生まれてきて。
STAGE編集部:時代の流れはリバースプロジェクトの方ですね。
龜石さん:とは言え、究極の選択で言ったら、みんなカネを取るんですよ、絶対的に。
1000万円を目の前に積まれたら、片目どころか、両目つぶってこれを取るんですよね。
これが、本質だと思っています。そこの現実を分かった上で、理想を掲げて追求していかなきゃいけない。
だからこそ、段階を踏んでいって、10%かもしれない、いや5%しか我々の思いは実現できないかもしれない、それでもやっぱり「やる」っていうことが必要なんだと。その段階を作っていくってことが大事だと思っているんです。
STAGE編集部:ジレンマを抱えたまま「行くぞ」というのは、リバースプロジェクトの本質でもありますか。
龜石さん:本質でもあります。

成功して裕福だった20代からの夢を見る貧しい30代へ

龜石さん:僕は20代、大学生の頃に、兄弟で渋谷に小さな洋服店を立ち上げたんですよ。長男が社長、次男がデザイナー、私が店長という形で。当時は、ストリートからオリジナルのブランドを作るっていうことがほとんどなかった時代だったので、1年ぐらいで非常に跳ねたんです。会社としては数十億の会社になって。一般的な20代の学生からすると、お金っていう部分で言うと、非常に裕福という状態でした。ポルシェに乗って、レインボーブリッジが見えるマンションに住んで、みたいな。
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