東大生が実践する主体的な読書とは?インプットに差がつく読書法

カルチャー
読書をしていても、「理解できない」「すぐに忘れてしまう」という経験はありませんか。どうしたら、読書習慣を身につけられるのでしょうか?そこで今回は、日本一番の学力を誇る東大生が実践している読書法をご紹介します。
2018.10.23

東大生は疑問を持ちながら読書している

東大生は、一体、どんな読書をしているのでしょうか。実は、東大生が読書をする時に意識していることがあります。それが「主体的な読書」です。主体的な読書とは、自分の頭で考える読書のことです。「なぜこうなるのだろう?」「これは本当にそうなのか?」というように、疑問を持ちながら読書をしてくと、自分の頭で考える力がつくのです。
具体的には、ビジネス書を読んでいて「モチベーションアップには、動機づけが必要だ」と書いてあったら、「なぜ動機づけすると、モチベーションがアップするのか?」と考えたり、「動機づけだけでは、モチベーションが上がらないのでは?」と疑問を持ったりすることで、自分で疑問を持ち、自分で解決しようと考えるようになります。
自分の頭で考えるようになると、「地頭力」と「読み込む力」が身につきます。地頭力とは、物事の本質をスピーディに捉えたり、正確な論理展開する力といった、素の頭の良さのことです。読み込む力とは文字通り、本の内容や著者の言いたいことをすぐに理解できる力のことです。
この地頭力と本を読み込む力が身につくと、受け身の読書から主体的な読書をすることができます。疑問を持ちながら読書する→地頭力と読み込む力が身につく→質の高い疑問が持てるようになる→さらに地頭力と読み込む力が身につくというサイクルを重ねながら、読書力を磨いていきます。

地頭力と読み込む力を上げる3つの要素

東大生が持っている地頭力や、読み込む力を上げるには、3つの要素が必要になってきます。それが「読解力」「論理的思考」「客観的思考」です。

1.読解力

「読解力」とは読んで理解するだけでなく、そのスピードを上げることも目的とします。読解力を高めるには、読む前の準備が必要です。読む前の準備とは、リード文やタイトル、副題をチェックすることです。この本がどんな内容で、著者が言わんとしていることは何かをあらかじめ知ることで、読解力が飛躍的に上がるのです。

2.論理的思考

「論理的思考」とは、本に読まれないようにすることです。本に読まれないとは、質問を考えたり、メモを取ったりしながら読書をすることです。読書という行為自体、どうしても受け身になりがちです。文を眺めるだけは、当然理解することはできません。そこで質問を考えたり、メモを取ったりしながら、論理的な目線で本を読んでいきます。

3.客観的思考

「客観的思考」とは、意見の偏りを防ぎ、多面的なモノの見方ができることです。本というのは、あくまで著者一人の見解に過ぎません。質の高い知識を求めるのであれば、同時並行で複数の本を読むことです。マネジメントについて知りたかったら、それに関する本を2冊以上、同時並行で読んでいきます。すると、マネジメントに関する客観的思考が身につくのです。

東大生が本を読み終わった後にしていること

よっぽど興味のある本でない限り、本は読んだらそこでおしまいです。しかし、東大生は本を読み終わってから「仮説の答え合わせ」をします。仮説の答え合わせとは、本を読んでいる時に浮かんだ疑問の答えが、正しかったかどうかを調べることです。
具体的には、モチベーションアップの本を読んでいる場合、自分の中で「どうやらモチベーションには、動機づけが必要らしい」と自分の中で仮説が浮かびます。最後まで本を読んだら、その答えが正しいかどうかが判断できるので、そこで答え合わせをします。答え合わせをすることで、本から得られる効果が倍増し、地頭力と読み込む力を身につけることができるのです。
本を読んでも仕事に活かせなかったり、本の内容を忘れたりするのは、本を読んだ後のアウトプットがないからです。漢字練習は読むだけでは身につきません。書くことで身についていきます。それと同じで、読むという受け身だけでなく、書くというアウトプットを行うことで、内容が記憶に残るのです。読んだあとの「答え合わせ」も、まさにアウトプットです。