2019.1.2
PDCAサイクルとは
品質管理(QC)システムにも用いられるPDCAは、業務を継続的に改善するためのツールといえます。
Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4つの頭文字をとっていますが、まず目指すべきゴールを設定して現状とのギャップの原因である課題を解決するための計画を立てます。そして計画に沿って実行し、その結果を評価して目標に届かなければ再度計画を立てて実行するというサイクルを繰り返します。
イノベーションとは何か
イノベーションとは改革や革新を意味する言葉で、新しい技術やビジネスモデル、新たな市場を生み出すことをあらわします。たとえば携帯電話を一変させたiPhoneも、イノベーションによって生み出された商品と言えるでしょう。
そして今、中国ではさまざまなイノベーションが生み出されています。たとえばアリババが提供する「芝麻(ジーマ)信用」というものがあります。これは個人の信用度というものをスコアリングする、これまでになかった新しいサービスです。
その内容は、集めたビッグデータを解析して信用できる人とできない人との行動パターンを分析し、それをもとに個人の信用度をスコアリングするものとなります。スコアは点数で表示され、高いスコアの人は低利でお金を借りたり、レンタルサービスの保証金が不要になったりと有利にサービスを受けられます。
PDCAはイノベーションに役立たないのか
PDCAはもともと、業務における問題あるいは課題を解消するためのツールです。そのため「まったく新しい商品あるいはサービス」を生み出すことを目的としていないので、一見するとイノベーションを生み出すことができないように思えます。
その代わりに「QPMIサイクル」あるいは「OODAループ」などのシステムが提唱されたりしています。
「QPMIサイクル」とは2002年設立のベンチャー企業「リバネス」の代表取締役である丸幸弘氏が考案した、イノベーションを生み出すためのシステムです。イノベーションを生み出すためには、個人の情熱(Passion)が必要であるとの前提で成り立っています。
まず、さまざまな事象から課題(Question)を見出し、その課題解決に対して情熱(Passion)を抱いて使命(Mission)をもって取り組むチームを組み、新たな価値(Innovation)の創出を目指す、という流れになります。
一方で「OODAループ」はもともと米国海軍で開発された軍事理論です。状況を観察して何をすべきか判断し、即座に行動するという考え方になります。
これを企業経営や組織運営に活用するようになったのは、変化の早い業界に素早く対応できるようになるからです。まず観察(Observe)して情勢を判断(Orient)し、意思決定(Decide)をしたら環境が変化する前に素早く行動(Action)するというのがOODAループの仕組みです。
これがなぜイノベーションに役立つのかというと、常に変化する市場に対応し続けることで、今後必要とされる商品あるいはサービスを予測し、すぐに市場投入してその反応を見るということができるからです。その試行の中で新しい商品あるいはサービスが生み出される可能性が高いということです。
しかしQPMIにしてもOODAにしても、最初に「観察」して「課題を見出す」ことが必要です。しかし目に見えない「潜在化」された課題を見出すのは難しいのではないでしょうか。
実はそのスキルを身に付けることができるのが、PDCAではないかと思います。たとえば商品の品質やサービスなどが満足できるレベルにない時、いかに向上させるかを「考える」からです。それはまさに理想と現実のギャップを生み出す原因を課題として見つけることにほかなりません。もちろん最初はピンポイントで課題を見つけ出すことができなくても、何度も「トライアンドエラー」を繰り返すことで精度が高まります。
さらにその品質を高めるために思考するうちに、別の視点からアイデアが生まれることがあります。これこそが、イノベーションにつながるのではないでしょうか。
おわりに
PDCAはビジネスマンのスキルを向上させるためには必要なシステムだと思います。そのスキルがあって初めてQPMIあるいはOODAとしったシステムも運用できるわけですし、PDCAだけでも視点を変えて取り組めば新たな発想は生まれると思います。
参考サイト
PDCAサイクルとは
https://digitalidentity.co.jp/blog/marketing/about-pdca.html
QPMIサイクルとは
https://lne.st/2017/06/05/qpmi/
OODAループとは
http://iandco.jp/戦略モデル/oodaとは/
芝麻(ジーマ)信用
https://dcross.impress.co.jp/docs/column/column20170918-1/000477-2.html