時間を上手に使うためには?短期 中期 長期3つのスパンで考える

「忙しい」がつい口からでてしまう人は、時間の使い方が苦手になっているかもしれません。時間を生かすためには短期・中期・長期といった3つのスパンで考え、自分自身のビジョンに向かってシナリオをデザインしてみましょう。第4回目は「先をイメージする」です。(泉正人著『TIME DESIGN(タイムデザイン)』より抜粋。)

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2019.12.9

時間は3つのスパンでデザインする

「忙しい」がついつい口からでてしまう 人は、自分の時間を上手くコントロールできていないせいで忙しくなっているのかもしれません。
つまり「時間がない=時間の使い方が苦手」になっている可能性があるのです。
「時間は最も乏しい資源であり、それが管理できなければほかの何事も管理することはできない」と経営学者でマネジメントの発明者のピーター・ドラッカーもいっているように、無形資産である時間を管理・コントロールすることによって忙しさから解放され、時間という貴重な資産を生かすことができるのだと思います。
そのために、まずは時間を、短期、中期、長期といった3つのスパンで考えてみます。
すべてのことに当てはまりますが、1週間、3カ月、3年というスパンで見て、その間に何をすればいいのかを判断します。
たとえば数カ月後に論文を提出する場合などは、締め切りからさかのぼって、週単位でスケジューリングしていきます。10年間に提出する論文の数を決めていれば、年単位で計画を立てていけるはずです。
また3年後には、年に1カ月間の休みを取って、世界を旅したいという目標を立てたならば、今年中に、何をしなくてはならないか、来年にはどのような働き方をして、どれぐらいの収入を手に入れないといけなかが、わかると思います。
どれも時間軸の長い短いはありますが、見ている立ち位置としては目標地点(将来なりたい姿)から俯瞰して見て計画を立てています。
つまり、先をイメージして自分の時間をデザインするということです。
シナリオを組む、といっても良いかもしれません。
フランスの哲学者ポール・リクールは、
「時間は実体がないので見ることができない。時間は、その流れの中で次々と起こった多様な出来事を物語にすることで、初めて実体となる」といっています。 自分自身の中に、ビジョンをもち、それに向かって自分のシナリオをデザインすることによって、現在どの位置に自分がいるかがわります。 全体の中のどこに自分がいるのかがわかれば、これから何をすれば良いかもわかり、焦ることなく、たくさんの時間を有効に自由に、使うことができると思います。

「時間」「場所」「お金」から自由になる生き方

今の時代、私たちは、自由を求めて生きています。
戦後まもなくの時代とは異なり、命の危険性や食の確保などを考える必要のないほど安定した時代には、当然、何からもしばられることなく、自由なライフスタイルをつくりたいと思うのは当然です。
ここ20年程、フリーターという職業が一般的になっていますが、お金よりも時間の自由を優先している時代の流れだと感じます。 そんな私たちは、はじめから、「時間」「場所」「お金」全てから、完全に自由になることは、少しむずかしいかもしれません。 でもまずは、この3つのどれの自由が一番欲しいかを考えてみましょう。 たとえば、「大きな家を買いたい」「毎月海外旅行に行きたい」、そのために今はお金が必要だ、という人は、最初は今よりも高い収入を得るために全力を注ぎ、場所と時間に制約を受けるかもしれません。 また、緑があふれ空気の澄んだ田舎に住みたいという人は、場所の自由を得るために、最初はお金と時間が自由にならないかもしれません。 仕事にも場所にもしばられない、どこにいてもゆったり流れている時間を楽しむライフスタイルが一番欲しいという人もいるでしょう。さまざまな自由になる方法がありますが、その中でも一番簡単に自由になれるのが「時間の自由」だと私は思います。 それは、時間の使い方を習い、習得するだけで、とても簡単に自由な時間を作ることができるようになるからです。
考えてみてください。

1年のうち、半分が好きなことをできる時間の自由。

1年のうち、どこででも生活して良いという場所の自由。

いつでも、なんでも買い物できるというお金の自由。

どれが一番手に届きそうでしょうか? おそらく私たちの多くは、時間の自由が一番近いと思います。
さらに、それに対するコストもそれほど多くはなさそうです。  
たとえば、「裕福な人が裕福であるのは、彼らがより多くのお金を持っているからではなく『自由になる時間』をより多く持っているからだ」という言葉があります。 当然、裕福な人は、時間だけでなくお金も持っています。どちらを先に得たかは、さまざまですが、一度「時間」「場所」「お金」の自由に目を向けて、ライフスタイルをイメージすることは良いことだと思います。
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