ビル・クリントンの不安定な前向姿勢
クリントン氏はブロックチェーンや仮想通貨のテクノロジーは素晴らしく、それを無駄にしてしまうような規制は緩和すべきだ、という考えを述べました。
しかし、講演内容は本題とはあまり関係のない社会問題や自分の新書の紹介などでまとまりがなく、ブロックチェーンや仮想通貨がどのように銀行産業を変えていくのかなどに焦点を当ててはいないようだったと、アメリカの経済誌Forbesでは指摘しています。
ウォーレン・バフェットは仮想通貨が大嫌い
今後のカギとなる米政府の動向は
結局、アメリカでの仮想通貨の行方は米政府がどのようにバランスのよい規制整備をするか、によるものではないでしょうか。
10月11日に行われた、上院銀行住宅都市委員会が仮想通貨とブロックチェーンについて開いた公聴会の様子をForbesは次のように伝えています。
・証人として招かれた、反対派で2008年のリーマンショックを予測したことで有名な経済学者のヌリエル・ルービニ博士は徹底的に否定。擁護派ロビーグループ、Coin Centerの調査長、ピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ氏は仮想通貨絡みの犯罪は改善できる、仮想通貨やブロックチェーンはインターネットの誕生と同様に繁栄をもたらす上で将来性が高い、と主張。
・2020年の米大統領選の民主党有力候補であるエリザベス・ウォーレン上院議員は消費者への被害なしに仮想通貨の生産的な面を育成していくことは難しいだろうと否定的である。他の民主党の委員からも消費者への被害を懸念する意見が多い。
・共和党からは楽観視する委員もいる。その一人だった上院銀行住宅都市委員会の委員長である、マイク・クラポ氏は、激しい価格変動や市場操作詐欺という欠点を認めやや弱気な発言もしている。
クリントン氏が指摘するように、素晴らしいテクノロジーが厳しい規制で身動きが取れないのはもったいない。しかし、テクノロジーを悪用した犯罪から市民を守る規制がしっかりしていなければ、我々は安心して投資もできません。規制のバランスは難しいところです。
仮想通貨市場やブロックチェーンの将来にはやはり世界経済の中心であるアメリカの対応が大きく影響を及ぼします。擁護派、反対派どちらの意見も一理あり、それだけに、表面的で偏った情報に惑わされることなく、政治経済情勢を見ながら慎重な判断が必要となるのではないでしょうか。
参考:
https://www.forbes.com/sites/billybambrough/2018/10/03/ripple-xrp-has-dropped-13-during-swell-where-did-it-go-wrong/#2d58bf414e64
https://www.ibtimes.com/why-warren-buffetts-bleak-prediction-bitcoin-cryptocurrencies-wrong-2641511
https://www.forbes.com/sites/tedknutson/2018/10/11/elizabeth-warren-cryptocurrency-is-easy-to-steal/#75436a041249