1本100万円のワインはなぜ生まれるのか

かの有名なロマネ・コンティが100万円のワインであるということは誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。では、ロマネ・コンティをはじめとした超がつく高級ワインはどんな富裕層が購入しているのでしょうか。
2017.12.11
多くの人はお金持ちのワイン愛好家が購入していると考えるでしょうが、実は必ずしもそうではないのです。今回はワインとお金の話をさせて頂きます。

投機目的で買われるワイン

ワインはときに投機目的で購入されます。では、投機目的とはどのような意味なのでしょうか?
以下では、ワインの価格が吊り上がる背景にある投機目的でのワインの購入についてみていきます。

中国バブルの裏で取引されていたワイン

中国の経済が右肩上がりに成長を始めた頃から、中国の富裕層によるワインの大量買い占めが行われており、昨今は有名生産地のワインの価格が大きく上がってきております。
2014年に香港で開催されたザザビーズオークションでは、ロマネ・コンティ114本が手数料込の1億8400万円で落札されています。1本あたり約160万円です。
これはロット単位のワインの落札額としては史上最高額となりました。
ここで注目したいのが、そのワインは落札後どうなるかということです。もしかすると落札者は114本のロマネ・コンティを家族や友人と一緒に飲むのかもしれません。しかしこの推測はいささかアットホームすぎるでしょう。
落札者は投機目的で114本のロマネ・コンティを購入し、今後114本の大部分をさらに転売して利益を上げることを狙っていると考えた方が自然でしょう。これが投機目的でワインを買うということなのです。

ロマネ・コンティ114本が1億8400万円で落札されるということがなぜ起るのか?

goo辞書によると、投機とは「将来の価格の変動を予想して、現在の価格との差額を利得する目的で行われる商品や有価証券などの売買」とされています。
投機目的でワインを購入することは、株式の購入と同じなのです。一般に株式で利益を得ようとする場合、とある株式を株価が下がっているときに購入し、株価が上がったときに売却します。そうすることで値上がり分が利益となります。
今や一部の有名なワインはまるで株式等の金融商品のように扱われており、たとえワインを全く飲まない人物であっても将来の値上がりによる利益を期待してワインを買う場合があるのです。
一部の有名なワインについては、こういった思惑が世界中のいたるところで働いており、その価格が吊り上がっているのです。そのため、ロマネ・コンティ114本が1億8400万円で落札されるという事態が起こります。

ワインの先物取引 ~アン・プリムール~

またワインでは先物取引も行われています。これはフランスのボルドー地方で古くから行われてきた商習慣です。ワインはぶどうを収穫・醸造してから実際に売りに出すまで一定のタイムラグがあります。そのタイムラグ時の収入を確保する目的でボルドー地方では古くからワインの先物取引が行われていました。
つまり醸造直後のワインの味をみて価格を決めて購入し、数年後にそのワインを受け取るというのがボルドー地方における先物取引で、アン・プリムールと呼ばれています。
当然ながらこの先物取引もワインに対する一種の投資としての側面をもち、ワインの価格を吊り上げる要因となっています。
アン・プリムールには優れた鑑定眼が必要となりますが、醸造直後の状態で将来の値上がりを予想することができた場合、そのワインを大量に買い占めます。そして、出荷後、購入価格よりも高い価格でワインを売ることで利ザヤを得ることができるのです。先物取引で購入したワインに著名な評論家が高得点を付けた場合などは、まさにしてやったりです。

ワインにお金のイメージがつきまとう理由

以上のように、ワインの価格が上がる背景には投資の動きがあります。優れたワインを適切な保存状態で熟成させると、その味わいは大きく飛躍します。ワインがこのような性格のものであるため、ワインに対して投資を行い、利ザヤを得ようという動きが生まれるのです。
そして、市場におけるワインの価格が大きく値上がりします。ワインは嗜好品としての一面も持ちますが、同時に金融商品としての一面も持っているのです。
とはいえ、ワインが人々を甘く酔わせるがゆえに愛され、求められるがゆえに価値を持っていることは言うまでもありません。