2018.11.29
1 決断には相当のエネルギー消耗が伴う
決断疲れという言葉を聞いたことがありますか。これは意思決定を長時間にわたって繰り返すことで、決定の質が低下する減少を指す言葉です。さらに“何もしないこと”を選択しても人は消耗します。これは自制心を働かせることで、短期的な自制心の機能障害が起きるためです。
自制心の機能障害とはたとえば、仕事帰りにコンビニに立ち寄り、目についた食べ物を躊躇なく買って食べてしまうような状態を表します。本人はストレス太りと思うかもしれませんが、実は決断疲れが原因なのかもしれません。となればストレス解消だけではなく、決断疲れを回避する方法も考えなければならないでしょう。
しかし人は1日の中で相当数の決断をしています。ほとんどは無意識に決断しているので気づきませんが、たとえば通勤電車はどの位置に並び車内ではどこに立つのか、座れたらスマホを見るのか少し休むのかなど、さまざまな決断を下しています。
また会社では飛び込みの仕事をすぐに済ませるのか後回しにするのか、失敗をすぐ報告すべきか対処してからにするかなど、考えることが山積みです。このような状態で、どのように決断疲れを回避すればよいのでしょうか。
2 決断は自分の価値観に沿ってルール化すること
2011年にTED(専門家による講演会)でシーナ・アイエンガー氏がCEOを対象にした調査を発表しています。それによるとCEOは、1週間に平均139個の職務に従事し、それぞれが細かな選択肢で成り立ち、その50%は9分以内に意思決定をしているそうです。さらに1時間以上の時間を費やした意思決定は全体のわずか12%となっていました。
仕事でもプライベートでも、今この場で結論を出せないことは多いでしょう。しかし結論を延ばせば頭の中にその選択肢が残り続けますし、事あるごとに考えてしまいます。決断疲れを回避するためには、その多くをその場で決断しなければなりません。そのためには即決するルールを作る必要があります。
TEDの発表でもあったように、選択肢はすぐに決断できるものと時間をかける必要があるものとに分かれます。決断の結果がその後長く影響を与えるようなことは、できる限り多くの情報を集めて検討しなければならないでしょう。その見極めは経験によって精度が高まりますので、最初はできる限り即決するように意識します。
そして決断の方法ですが、自分の価値観に照らし合わせて選択すべきものを選ぶようにルール化します。つまりその結果が自分にとって利益となるか否かではなく、自分の価値観をもとにしたルールに従って自動的に選別するのです。では自分の価値観はどのように定めればよいのでしょうか。
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