アフリカで働く私が、長期的に「安定」した収入を得ている理由

キャリア
収入源を多様化させることによって、長期的な視点での「安定」を築くことができる-。フリーランス国際協力師として日本・アフリカで働く筆者が、これからの時代に必要な「収入源」の話をします。
2019.6.17

フリーランス国際協力師の原貫太です。私は日本とアフリカを往復しながら、「国際協力」を軸に多様な働き方を実践しています。

前回、また前々回の記事では、私が国際協力の世界に関心を持ち、フリーランスとしてアフリカで働くことになるまでの過程をお伝えしました。今回は少し話題を変え、「収入源」に関するお話をします。

アフリカの活動ではお金は得られない

ウガンダ北東部での活動の様子

私は今、東アフリカのウガンダ共和国で国際支援の活動に携わっています。具体的な活動内容に関しては今後の記事を通じてお伝えできればと思いますが、ザックリ説明しますと、ウガンダ国内の経済的に最も貧しい地域にて、公衆衛生を改善するプロジェクトに取り組んでいます。

対象地域の人々は、そのほとんどが日本円にして一日100円~200円で生活を送っています。いわゆる「絶対的貧困層」と呼ばれる人々です。

そのため、この公衆衛生プロジェクトは「ビジネス」ではなく「支援」という形式を取っており、現地の人たちからお金をもらうことはしません。というよりも、現実的に不可能です。プロジェクトの運営費には日本からの寄付金を充てています。

しかしながら、活動を継続するためには当然、私が生活していくための「収入」が必要になります。その収入をどのようにして得ているのかご説明します。

収入源は大きく6つ

ウガンダ首都カンパラにて
私の収入源は大きく分けて6つ存在します。それぞれ簡単に説明します。

ブログ

私が運営する「原貫太オフィシャルブログ」が一つの収入源です。この記事ではブログ収益の具体的な内容は割愛させてもらいますが、基本的には広告収入がそのほとんどを占めます。

ブログから収益を得る方法はこちらの記事でも詳しく解説していますので、関心ある方は参考にしてみてください。

ライター

STAGEを含めて、現在2つのWebメディアでライターの仕事をしています。原稿料という形で収入が得られます。

大学在籍中、アフリカでの活動をまとめた『世界を無視しない大人になるために』という本を出版しました。初出から2年以上が経っていますが、今でも講演やイベントでの手売り、またネットショップを通じて売れています。

講演

私はウガンダと日本を3カ月おきに行き来しながら働いています。日本に帰国した際に大学や関係機関で講演する機会をいただいており、そこでの謝礼が一つの収入源となっています。今月も5つの講演会で登壇予定です。

イベント開催

こちらも日本帰国時のみの収入源となりますが、主催、もしくは友人と共催し、国際協力やアフリカ、働き方に関連したイベントを開催しています。必要経費を差し引いたイベントの売上が収入に繋がります。

オンラインサロン

メンバーからいただく会費が収入になっています。私は「国際協力系ブロガーサロン」という、国際協力の分野で活動しながらブログでの情報発信を頑張っている人のためのオンラインサロンを運営しています。

簡単ではありますが、私の収入源について説明しました。この6つを合計すると、月に約30万円程度の金額になります。

収入源を多様化することで「安定」が築ける

ブログを除くと、それぞれの収入源はそこまで大きな金額とは言えません。しかし、収入源を分散させることによって、「安定」した働き方が実現できると私は考えています。

なぜなら、仮に一つの収入源が途絶えたとしても、まだ他に5つ残っているから。図太い柱一本だけに支えられている家よりも、細くてもしなやかな柱数本によって支えられている家の方が安定しているのは想像できますよね。

また、これらの収入源はすべて「原貫太」という人間の知識や経験、スキルから築かれているものなので、どれか一つの収入がアップすればその他の収入も連動してアップします。

例えばブログの記事数を積み重ねていくことによって、そこから新しい本の出版が可能となります。また、講演会やイベントの参加者が増えれば、会場で手売りできる本の数も増えるほか、オンラインサロンに入会してくれる人も出てくるかもしれません。

一つの収入が5,000円増えるだけでも、全てを合計すれば30,000円の増加になります。収入源を多様化すれば長期的な「安定」が築かれるだけではなく、収入を高めていくことにもなるのです。

一つの銘柄に全額投資する人はいない

先日、トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用を守ることは厳しい」と発言し、大きな話題になりました。

会社員という働き方を否定するつもりはありません。しかし、AIやロボット技術の進化に伴い「仕事」を取り巻く社会状況が大きく変わりつつある今、収入源を一つだけに限定してしまうことには少なからずリスクがあります。

全財産を一つの株式に投資することが非常にリスキーであるように、収入源が一つしかないこともまた、長い目で考えると同じようにリスクがあるのではないかと私は思います。

近年フリーランスという働き方が注目され、また副業を解禁する企業も増えるなど、「働き方改革」が進んでいます。

長期的な視点から人生を考えた時、収入源を分散させることは一つの「安定」に繋がるのではないでしょうか。これからの「働き方」を考える上で、一つの視点にしていただければと思います。

原貫太

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。
フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援してきた。
大学在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立し、新卒で国際協力を仕事にする。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞した。
大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。現在はウガンダのローカルNGOと協働し、最貧困地域での公衆衛生改善プロジェクトを実施中。他にも講演やブログ、YouTube、オンラインサロンの運営にも携わるなど、「フリーランス×国際協力」という新しい働き方を追求している。著書『世界を無視しない大人になるために』

STAGE(ステージ)