女性にとって、仕事で自分の力を存分に活かし、やりがい・生きがいを持ち、キャリアを積んでいくことは大きな喜びです。そして結婚・妊娠・出産と、仕事を続けながら「人生のターニングポイント」を迎えたいと考える女性もみえるでしょう。
今回は、女性にとって働きやすい職場環境について、働き方改革とともに考えていきます 。
政府が推進する働き方改革の要因「少子高齢化」の現状
現在の日本では、少子高齢化が進んでいます。内閣府がまとめたデータによれば、2017年10月1日現在の国内総人口は1億2,671万人。そのうち65歳以上が3,515万人で、全体の27.7%を占めているのが現状です。
(参考:内閣府|平成30年版高齢社会白書(全体版)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/zenbun/s1_1_1.html)
一方で主に生産活動の中心となる生産年齢(15歳以上65歳未満)人口は、7,596万人。総人口の約6割にあたりますが、今後の推測では、2040年に5,978万人、2065年には4,529万人と、減少化が加速していくことが深刻な問題と考えられています。
そもそもの労働者人口が減少しつつあるのに加え、優れた人材が育っても、出産・家族の介護など、家庭の事情などで退職を余儀なくされている従業員がいるのも現実です。そこで柔軟な人材採用・多様な働き方が求められ、働き方改革につながっています。
女性の働き方の実情は?結婚・出産との影響
女性の多くは「結婚・出産」というターニングポイントで、それまでの働き方を変える傾向が見られます。総務省がまとめたデータによれば、2017年平均の雇用者数(役員除く)は5,460万人と、前年比69万人の増加でした。
(参考:総務省統計局|労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf)
女性については、正規職員・従業員が前年比34万人増の1,114万人、非正規職員・従業員が前年比16万人増の1,389万人です。それぞれ増えているものの、女性で非正規のうち13.3%が25~34歳、22.0%が35~44歳となっているのが現状です。
非正規で勤めている理由には、「自分の都合のいい時間に働きたい」「家計の補助などのために収入を得たい」といった回答があげられています。つまり、現在・直近に勤めていた企業では、自分の求めている働き方ができないため、非正規の働き方を選んでいるのが現実です。
政府は2022年度末までの目標として、25~44歳の女性就業率を80%まで引き上げることを目指しています。2018年8月時点では76.7%となっていますが、できれば正規雇用で継続してキャリアを大切に働き続けたいと考えている女性も多いもの。
では、どういった働き方ができれば、女性にとって「働きやすい」と感じられるのでしょうか?
女性が望む職場環境とは?
女性にとって、勤務地が異動する可能性があるのはパートナーなどとの関係もあって避けたいと感じる人も多いでしょう。職場環境としては、リモートワーク・在宅勤務などが選択できれば助かるし、長く働けると感じるのではないでしょうか?
また、時短勤務・フレックスタイム制についても、柔軟な規則があれば、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応しながら仕事を続けることが可能です。介護休業制度も、ただ制度化されているだけでなく、実勢に取得できるような業務スタイルが構築されていれば、取得する側もフォローに回る側も安心できるでしょう。
働き方改革は、女性の社会進出のきっかけに
働き方改革は、女性や高齢者など労働人口のなかでも、働きたくても働けない人材の掘りおこしが焦点でもありました。現在はバリバリ働けていても、これからはどんな人生の転換点を迎えるか、わからないこともあります。
突然の方向転換でも、「継続して働くこと」を大切にしながらキャリアを積んでいくために、働き方改革が活発化していくことが望まれます。