2017.10.3
今回は香港への移住を考えている人のために、香港移住にかかる費用を試算し、一カ月あたりどのくらいのお金が必要なのか、その生活費を項目ごとにご紹介します。
香港の家賃相場はかなり高め
日本からも近い香港は時差も1時間で、気候も似ているので日本人にとっては住みやすい場所と言えるかもしれません。しかし、香港の不動産事情は日本と比べてさらに厳しく、ワンルーム程度の広さで少なくとも5,000香港ドル(約7万円)以上はするといい、1DKほどの広さでは8,000~1万2,000香港ドル(約11万2,000~17万円)くらいで、現在も家賃相場は上がり続けているようです。(1香港ドル=14円で換算)
また、香港は人口密集地としても知られており、狭い土地にいくつもの超高層マンションが立ち並んでいます。そんな超高層マンションの平均的な広さである2LDKの家賃相場は3万香港ドル(約42万円)からとなっています。
なぜこのように香港の家賃相場が高いのかというと、香港は税の優遇措置がある「タックスヘイブン」の国であり、富裕層が積極的に次々と不動産を購入し、それによって不動産価格が高騰しているからだといいます。価格高騰の影響で、香港に住む一般市民が家を持つことはほぼ不可能という状況に陥っているほどです。
食に関する価格は良心的
住宅にかかる費用に比べ、香港での食に関する価格は良心的です。香港では朝にお粥を食べるのがポピュラーで朝食を外で済ませる家庭も多く、そのため朝から開いているお店や屋台がたくさんあります。お店や屋台ではお粥以外にも麺などの軽食、B級グルメなどその種類は豊富。あらゆる人の食の好みを満たしてくれることでしょう。
気になる1食あたりの価格はだいたい20~50香港ドル(約280~700円)ほどと、日本における低価格帯の食事と同じくらいです。また、ディナーなどで利用するレストランでは、100~200香港ドル(約1,400~2,800円)くらいとなっており、これも日本と価格帯が似ています。
自炊する場合を考えてみても、香港のスーパーマーケットは比較的割安という印象です。例えば中国料理に使われる調味料など、一般的な庶民がよく使う品物ほど安くなっていますが、日本ならではの品物は手に入りづらく割高となるので注意が必要です。
1カ月あたりの食費は1日あたり100香港ドル(約1,400円)使うとして、およそ3,000香港ドル(約4万2,000円)が妥当でしょう。
香港の初乗り料金は日本の半額以下
香港は東京都の約半分という広さのコンパクトな都市なので、移動にかかる時間とお金を節約することができます。また、公共交通機関の運賃が驚くほど安いのも特徴で、日本の運賃と比べるとおよそ半額から3分の1程度の値段になっています。
例えば、香港の地下鉄「MTR」の初乗り料金は4.5香港ドル(約63円)、バスの初乗り料金はさらに安くおよそ3.5香港ドル(約49円)、そしてタクシーの初乗り料金は2キロ24香港ドル(約337円)となっています。これらの交通手段以外にも、トラムと呼ばれる路面電車や、九龍島と香港島をつなぐフェリーなどがあり、軒並み料金もリーズナブルです。
1カ月あたりの交通費ですが、都市部の移動が主であれば600~1,000香港ドル(約8,400~1万4,000円)ほど、郊外への移動も含める場合は少し高くなりますが、それでも1,500香港ドル(約2万1,000円)程度でしょう。
ということで、その他雑費を含めた香港で暮らすために必要な1か月の生活費を試算すると、およそ1万8,000香港ドル(約25万2,000円)ほどとなりました。生活費の約半分を占める家賃の高さが際立っていますね。香港移住に興味のある方は、高騰するマンションの費用を中心に一度生活プランを考えてみるとよいのではないでしょうか。