2019.2.25
朝は創造力が必要な仕事をメインに
午前6時。朝日を浴びると、睡眠とリラックスを促すメラトニンというホルモンの分泌がストップします。起床してから1時間は、脳が前日までの記憶を整理する大切な時間ですから、極力そのジャマをしないでください。通勤中に勉強する習慣がある人も多いでしょうが、あえて窓の景色を眺めてボーッとしてみませんか?職場に着いた時点で、頭がスッキリしていることに気がつくはずです。
午前8時台は、男性ホルモンのテストステロンの分泌が増えるため、決断力と判断力が高まっています。重要な案件に手をつけましょう。緊急ではないメールの返信などは、後回しにすることをおすすめします。午前9時台は、記憶力が良くなります。新しい資料の読み込みや、リサーチに最適な時間帯といえるでしょう。
午前10時。起床4時間後は、もっとも脳が活発にはたらき、知的な作業に向いている最高のゴールデンタイムです。企画を練る、提案書の作成、デザインやアイデア出しといった創造力が必要な仕事をメインに!
相手の生体リズムも把握して、仕事の効率を上げる
同じ就業時間で働いているのなら、職場のみんなも似たような状態だと考えられます。相手の生体リズムも把握したうえで、仕事の効率化をはかりましょう。
午前11時台は、心身ともに免疫力が高まり、前向きな状態を粘り強くキープできるタフな時間帯です。上司や同僚も同じ状態なら、思い切った提案や相談をするベストタイミングといえます。逆に避けたいのが、アドレナリンの分泌が増えるランチ後の13時台。おたがい興奮して攻撃的になりやすく、ディスカッションには向いていません。
午後14時。起床して8時間後は、誰もが眠気に襲われてセロトニンが増えます。自分も相手も集中力が途切れがちになるため、職場全体のうっかりミスに注意が必要です。この眠気を抑えるには、お昼に先手を打っておく「戦略仮眠」という対抗策があります。仮眠といっても、ランチの前に座ったまま数分目を閉じるだけで十分です。
午後15時台は、なんとか眠気から覚めて、なおかつまだセロトニンの影響を受けています。みんなが、のんびりした楽観モードですから、ネガティブなムードにはなりにくいです。後輩への少しきびしい指摘や、チームの反省会に向いています。
夕方の仕事は事務作業がはかどる
起床してから徐々に上がり続ける深部体温(内臓の温度)は、午後16時から17時に向けてピークを迎えます。脳が一番活発なのは午前10時でしたが、単純作業でハイパフォーマンスを発揮できるのはこちらの時間帯です。伝票整理やデータ入力といった仕事なら、おどろくほどスピーディーにこなせるでしょう。
深部体温は、午後17時から徐々に下がりはじめ、午後22時でガクッと下降します。どうか帰りの電車では、うたた寝をしないよう頑張ってください!仮眠をとるならお昼です。夕方に仮眠をとってしまうと、その晩の寝つきが悪くなってしまいます。
自分のリズムを知っておこう
生体リズムを取り入れた時間管理とは、自分の脳と体が、今どのような状態なのかを意識することです。まずは、起きて4時間後は脳のゴールデンタイム、8時間後は眠気のピーク、10時間から11時間後は作業効率が良いとだけでも覚えておきましょう。自分にストレスがかからない方法で、仕事効率化を実現できるはずです。
参考
菅原洋平著「あなたの人生を変える睡眠の法則」自由国民社,2013年
株式会社ニューロスペース
https://neurospace.jp/
Active Sleep
http://activesleep.net/active-sleep/