2019年5月30日 更新

【夏の和歌】心に癒しを。爽やかな初夏に詠みたい万葉集

日本では古くから四季折々の情景を和歌で表現してきました。日本最古の和歌集として知られる「万葉集」は、身分の上下関係なく約4,500首以上もの歌が編纂されています。なかでも今回は、「夏の歌」をピックアップしてお届けします。

Ellmau Scheffau Austria - Free photo on Pixabay (39036)

2019.5.29

四季の彩など、情緒あふれるさまを短い言葉で心豊かに表現された和歌。ちょっと疲れたとき、ふっと心を癒してくれるサプリメントのような存在になってくれるかも。今回は、万葉集のなかから「夏」の時期に詠まれた歌をご紹介していきます。

女性天皇として知られる持統天皇の有名な歌


「春過ぎて 夏来るらし 白布(しろたへ)の 衣乾したり 天の香具山」 28

(春も過ぎ、夏がやってきたらしい。真っ白な衣が天の香具山に干してあるのを見ると。)
女性天皇として名高い持統天皇の歌です。この歌は少し改変され、新古今和歌集や百人一首にも選定されています。授業などで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?白い衣類は、今も昔も変わらず夏をイメージさせます。

この歌には諸説あるのですが、新緑と青空のなか、白い衣が風になびくその情景はまさに夏の到来を告げる情緒あふれるシーンを思い浮かばせるもの。初夏にぜひ詠んでみたい歌のひとつです。
(参照:国立国会と償還リサーチ|レファレンス共同データベースhttp://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000164414

夏の恋の歌といえばこの一首

「夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものを」 1500

(夏の野の草が茂っているなかに咲く姫百合のように、思う人に知られることなく恋焦がれているのは辛いものです。)
片思いの苦しい気持ちを表現した歌で、万葉集のなかでも数多くある恋の歌のなかでもよく知られた存在です。作者である大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)は、この他にも万葉集のなかに数多く選ばれており、優れた歌を詠むと認識されていたのでしょう。

彼女は大伴旅人の異母妹であり、万葉集の編者とされている大伴家持の叔母・姑でもあります。恋多き万葉女流歌人として知られています。

柿本人麻呂が妻を思い詠んだ歌

「夏野ゆく 牡鹿の角の 束の間も 妹が心を忘れて思へや」 502

(夏の野を行く牡鹿の角のように、ほんの短い束の間さえも、私は妻のことを忘れることはありません。)
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湊音 湊音
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