2017年6月8日 更新

十年一昔で片付けていいのか?

アメリカで、政権交代をきっかけに「十年一昔」と言わんばかりに、ある出来事から10年も経たないのに大切なルールが見直しになりそうです。

thinkstock (2295)

アメリカの有名投資家に「グレート・ベア」と呼ばれたジェシー・リバモアがいます。彼は、1929年の米国の大暴落を予想した投資家です。その彼の名言に、「ウォール街に、あるいは株式投資・投機に新しいものは何もない。ここで過去に起こったことは、これからもいく度となく繰り返されるだろう。この繰り返しも、人間の本性が変わらないからだ」。
人間の本性が変わらないからこそ、市場には適切な規制を入れてコントロールするべきなのです。だからこそ、ボルガールールは導入されました。リーマンショック後、世界は協調して金融政策、財政政策を駆使して経済を立て直してきました。このような中で、この愚策で世界が窮地に追い込まれると、もうどの国も、もうどの中央銀行も有効な政策を残していません。そうです、「タミフル」のように効く薬はもうないのです。だから、世界中のだれもが景気後退を望んでいません。今こそ大統領に国民の付託を果たす「受託者責任」を導入したいものです。

渋谷 豊 ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研) 代表 ファイナンシャルアカデミー執行役員

シティバンク、ソシエテ・ジェネラルのプライベートバンク部門で約13年に渡り富裕層向けサービスを経験し、独立系の資産運用会社で約2年間、資産運用業務に携わる。現在は、ファイナンシャルアカデミーで執行役員を務める傍ら、富裕層向けサービスと海外勤務の経験などを活かし、グルーバル経済に関する分析・情報の発信や様々なコンサルティング・アドバイスを行っている。慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。 ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所 http://fagri.jp/ ファイナンシャルアカデミー http://www.f-academy.jp/
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渋谷 豊 渋谷 豊
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