どうやって5,000万円貯金する?準富裕層になる方法

富裕層を目指すならば、まずは準富裕層入りを果たさなければ始まりませんね。野村総合研究所(NRI)による定義では、準富裕層とは預貯金含む金融資産が5,000万円以上1億円未満の世帯のことです。今のご時世、5,000万円をどうやって貯金すればよいのでしょうか。

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2019.7.18(2021.3.24更新)

準富裕層入り5,000万円貯金のハードルは高い?

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富裕層に至るプロセスとして、まずは準富裕層入りするために5,000万円を貯金することは、現在の日本人にとって並大抵のことではなくなっています。
例えば、30代前半で結婚し、子供をもうけたサラリーマン夫婦がいたとしましょうか。50代初めの給与水準がピークに達するころに子供さんが大学に入学しますから、相当高額の教育費を数年間負担しなくてはならなくなります。
仮に、幼稚園から高校まで全て私学ということになれば、大学入学前に既に1,800万円前後の教育費が必要とのデータもあります。子供が大学を卒業して社会人になるころ、夫婦は50代半ばになっています。企業にもよりますが、役職定年などで給与が下がるリスクが生じてきますね。前後して、親世代の介護問題にも直面することでしょう。親世代が自身の老後資金を潤沢に用意できていれば幸運ですが、そうでない場合は子供世帯に経済的負担がかかってきます。
老人ホーム・介護施設を利用するコストですが、月額10万円程度は覚悟しなければなりません。私設サービスを利用するならば、月額数十万円のケースも散見されるほどです。これでは、貯金をする余裕など何歳になっても持てなそうですね。ちなみに、金融広報中央委員会による最近の「家計の金融動向に関する世論調査」などによれば、50代の貯金ゼロ世帯の割合は約32%にもなっています。50代の3人に1人が貯金ゼロとは、富裕層を目指すどころのお話ではありません。

準富裕層入り5,000万円貯金の方法を考える

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では、サラリーマンが準富裕層になる方法はないのでしょうか。以下、3つの方法が考えられます。
・結婚せずに独身サラリーマンを続ける・・・・定年退職まで独身サラリーマンを続ける前提であれば、計画的にお金を使える方なら、60歳定年時に5,000万円の貯金は達成可能と考えられますね。ただし、大手企業勤務の正社員で、1,000万円単位の退職金を確実に手にできる立場であれば、結婚して子供がいても定年時に5,000万円の貯金を達成できる可能性が出て来ます(中小企業勤務のサラリーマンや、非正社員の場合は極めて困難)。
それでも、準富裕層入りを果たすために、結婚も子育ても諦めてひたすら貯金にのみ励む人生というのも、相当厳しい選択ではありますね。
・結婚して子供のいないDINKSになる・・・・DINKSとはDouble Income No Kids(夫婦で稼いで子供なし)の意味です。収入が増え、かつ貯金を妨げる子育て・教育のコスト負担がなくなるメリットがあります。貯金するペースは上がり、夫婦の定年退職前に5,000万円の貯金を確保できる可能性が高まります。ただし、夫婦共働きでも子供をもうけた場合、貯金のペースは大きく落ち込み、子供が社会人になる50代以降に漸く貯金を始められる公算大となります。
結果的に、貯金5,000万円には到達できず、準富裕層入りが叶わない可能性も高いでしょう。

起業して5,000万円貯金・準富裕層入りの可能性もあるが

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そして、3つ目の方法として、サラリーマンを辞めるという選択肢があります。ただし、積極的にオススメするものではありません。
・独立して起業する・・・・貯金するためには、支出を減らすだけでなく、収入を増やすことが重要です。そうなれば、独立して起業する選択肢もあり得ます。ただし、起業して成功するためには、人並み外れた努力・研鑽が求められます。起業後1年以内での倒産・廃業が6割以上とも言われ、10年後に生き残れるのは僅か数%の厳しい世界です。失敗のリスクは高いですが、起業して成功した暁のリターンはサラリーマン時代の比ではありませんね。
貯金5,000万円の準富裕層どころではなく、一気に富裕層入りの可能性すらあります。それでも、来月も売上が立つだろうか、支払いはできるだろうかと、サラリーマン時代には無縁だった不安に常に苛まれることになるため、メンタルタフネスがない方の起業は不向きです。
ここまで見てくると、一般的な属性の方が結婚して、子供をもうけることを諦めずに準富裕層入りを目指したいならば、サラリーマンを続けつつ副業/投資とを両立させ、5,000万円の貯金を作ることが、最も現実的な方法だとも考えられますね。この辺りの方向性の確立は、社会人になってから極力早い時期に行うのが賢そうです。場合によっては、学生時代にある程度人生の方向性を見据えておくことも有効でしょう。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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