2019年6月25日 更新

48億円資金調達したピクシーダスト落合陽一の「空間開発型事業」とは

「ピクシーダストテクノロジーズ(代表:落合陽一氏)、38億4,600万円の資金調達」5月23日付けのこのニュースは記憶に新しいはずです。3月、商工組合中央金庫からの融資10億円と合算すれば総額48億以上にもなる大型資金調達をおこなったピクシーダストの、目指すものとは?

2019.6.25

ピクシーダストテクノロジーの主要事業「空間開発型事業」とは?

ピクシーダストテクノロジー(以下PDT)ホームページで説明されている、同社の開発事業の主軸は、以下の通りです。
“「独自の波動制御技術「HAGEN 波源」をコアとして、デジタルファブリケーション、人工知能技術を用いたソリューションの共同開発等」”
「HAGEN 波源」とは、音・光・電磁波等のあらゆる波動によって空間を計測・制御する技術のことです。この技術を応用した、3次元空間の特定箇所にのみ音を届けるという指向性スピーカー「Sonoliards」や、3次元⾳響浮遊技術「Pixie Dust(ピクシーダスト)」は、PDTの名をこれまで世に知らしめてきた代表的な技術です。
特に、社名にもなっている「Pixie Dust(ピクシーダスト)」は、超音波を制御することで物体を空中に浮かせたり動かせたりする技術です。以下の動画で使われているのはビーズですが、液体や部品のようなものも浮かせることができます。また、「Pixie Dust(ピクシーダスト)」は大きなものでも重心さえ6㎜以内なら浮遊させることができるそうで、空間開発の可能性を広げてくれます。
「テクノロジーはガジェットの中にだけあるのではない」というのは、落合氏がかねてから主張してきた言葉です。筑波大学にある落合氏の研究室「デジタルネイチャー研究室」のコンセプトは、2次元と3次元の融合ですが、それはデジタルなテクノロジーが人間の生活の営みや自然に溶け込んだ世界の実現を目指しています。
テクノロジーは、アプリなどのガジェットやスマホなどのデバイスを飛び出し、音・光・電磁波などが可能にする空間制御の力で、例えばタッチパネルを空中に設置し、人間に帯同させる未来を形成するかもしれません。
宇宙空間に音・光・電磁波などによる空間制御で物質を固定し、それを土台として家を建てることも可能になるかもしれないのです!

大学の研究が社会から十分なリターンを得る仕組み

出典:logme Biz

via logmi.jp
上図は、PDTが構築した「大学での研究がリターンを得る仕組み」を図表化したものです。
これによると、研究活動をおこなうデジタルネイチャーグループに対して、PCTのミッションは「産学連携」です。PCTが大学の研究を企業に紹介して「産業化」したり、顧客企業がソリューションを求める課題を大学に提案したりして、「学問」と「産業」の連携を図るのです。
近年、日本の大学の研究開発費の縮小が研究の現場を悩ませているとのニュースをよく聞きますが、この仕組みを働かせれば、大学は研究成果を産業化してもらうことでリターンを得ることができるのです。
PDTの担当する産学連携のフローとはこうです。PDTは筑波大学の「デジタルネイチャー研究室」と連携し、研究室で誕生した知的財産の100%を譲渡され、その対価として筑波大学にPDTから新株予約権を付与するというビジネスモデル。
今後の日本の研究室のモデルとなり、多くの機関によって採用されて研究の場の活性化に結び付けば素晴らしいですね。
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