──『手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』特別編集[第3回]ミニマリストしぶ
このことをブログに書いたとき、読者の方から「人のある一面だけを見て自分と付き合う価値を判断するなんて、自分に利益をもたらす人間としか付き合わないということなのか?」というご意見をいただいた。
まさに、その通り。僕は「人付き合いだって、利害関係だ」と思っている。
読者の方は言う。「たとえばしぶさんが尊敬している方や、親しい友人の方から同じこと、タバコを吸っていいかと聞かれてもNOと言えるでしょうか」と。
もし、HKT 48の宮脇咲良さん本人に目の前で「タバコ吸っていい?」と聞かれたら、OKを出すかもしれない。
かわい過ぎるので、最悪タバコを吸っても許せる。しかし、実際そうはなっていないし、宮脇さんはタバコを吸わない。だから「もし00さんが△△してきたら」という質問は、ナンセンスだ。
僕の知人や尊敬できる人の中にも喫煙者はいるけど、席を離れて吸うなど、非喫煙者を気遣ってくれる。そういう配慮ができる人だから、関係が続いているのである。
先日、多人数の飲み会に参加する機会があったのだが、14人もいたにもかかわらず、食事中にタバコを吸う人はひとりもいなかった。これは、付き合う人を選んでいるからこその結果だと思う。いくらなんでも、他の13人全員で「しぶがキレたらヤバイから吸うのやめようよ」と口裏を合わせていたわけではないと思う。
確かに「喫煙者か、非喫煙者か」という一面だけで、相手のすべてを知り得ることはできない。でも多くの場合、人は人のある一面だけを見て判断するし、判断される。就活や婚活だってそうだ。
「この人はパッと見でなんか仕事できなそうだから、不採用だな」
「この人は素敵だし、話も合うから仲良くなりたいな。LINE聞こう」
限られた短い時間の中で、全員のすべてを知るのは無理だから、自分なりのフィルターをかけて判断する。だからこそ僕らは、その短い時間で、自分の印象を正しく伝えられるように努力するのである。
僕は、今でも利益のある人としか付き合っていない。
ここでいう利益とは「気遣いができ、話がおもしろくて尊敬できる、なんか居心地
がいい」など。
損失は、「話がつまらない、配慮ができない、見ていてムカつく」など。
こういった「損/得」をトータルして、利益が上回る人と付き合う。
子育てがいい例だ。手間もお金もかかるけど、それ以上に「子どもの笑顔で幸せになれる」といるが上回るから、子どもを育てる。
だから僕は「嫌な一面すらも許せる人」と付き合いたい。「口は悪いけど、いっていることは尊敬できるし一緒にいたい」、そういう人との関係ほど貴重だから。
もちろん、僕と付き合うだけの価値がなかったら、切ってもらってかまわない。僕も人から選ばれるような、得のある人間であり続けたい。