流される力(23)自己把握 自分自身を見つめ直し、見極める

自分の「我」や「未熟なこだわり」を捨て、結果を出している人のアドバイスを素直に聞いてそのまま行動する、これが「流される力」=信託思考です。より多くの人に流されることで、速く成長し、人生の成功を手にできます。泉正人著「流される力」より抜粋。

2019.5.8

フレームワーク③自己把握 自分自身を見つめ直し、見極める

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フレームワーク③は、自分自身を見つめ直し、現在の自分の力を見極めます。つまり、自分自身を把握する段階です。
自分の現在の位置を知らなければ、だれに、どのように思考を預ければよいか判断 できません。
まずは、自分の得意なところ、不得意なところを見極めることが大切です。
人はだれでも、良いところもあれば、悪いところもあります。得意なところもあれば、そうでないところもあります。

得意なところは、どんどん伸ばしていくのがいちばんです。

たとえば、営業が得意な人であれば、どんどん営業力を高めていけばよいでしょう。
得意なことを極めていけば結果や成果も出やすいので、楽しく営業を続けることができます。
一方で、

自分が不得意なところは、人の能力を認め、人の力を借りるのが賢明です。

たとえば、先ほどの営業の得意な人が、経理が苦手なのであれば、経理が得意な人に任せてしまったほうが効率的でしょう。
税金のことがわからなければ税理士に、法律のことがわからなければ弁護士に聞くのがいちばんです。
専門家の何十年という間に積み重ねてきた知識と経験が数万円の料金で手に入るのであれば、依頼しない手はないでしょう。
税金のことがわからないからといって、いちから税務の勉強をしていたら、いくら時間があってもたりません。
たとえ不得意なところをがんばったとしても、結果が出にくいですし、楽しくありません。
不得意なところは、積極的に他人に流されたほうがいいと思 います。流されるということは効率化に つながるからです。
多摩大学経営情報学部教授の久恒啓 一さんは、著書 『志 KOKOROZASHI (ディスカヴァー ・トゥエンティワン)の中で、メジャーリーガーのイチロー選手の言葉を紹介しています。
「自分にコントロールできることとできないことを分ける。自分で制御できないことに関心を持たないことです」
自分の得意なところと、そうでないところを把握していれば、流されていいかどうかの判断ができます。

他人の日で見ると自分の弱点が見える

他人の目で自分を見てみると、自分の力が客観的にわかり、どこがたりていないのかが見えてきます。
たとえば、A君が上司から大企業向けの重要なプレゼンを任されたとします。一方で、同期のB君は、小さな企業向けのあまり重要ではないプレゼンを任されました。このときB君は、「なんで、わたしに 重要なプレゼンを任せてくれないんだ !」と怒ってもしかたありません。
実は、だれもが無意識のうちに、この上司のような選択や判断をしています。
もしも、あなたにとって大切な人を食事に誘うなら、けっしてファストフード店に 行くことはないはずです、それなりのクォリティーのレストランなどを予約するので はないでしょうか。逆に、今年入社したばかりの新入社員をいきなり三つ星レストラ ンのような高級店に連れていくこともないでしょう。 つまり、良くも悪くも相手にふさわしい店を選んでいるということです。 A君とB君の例でも、上司はA君に任せたほうがプレゼンがうまくいくと判断したため、B君には別の仕事を与えたのです。 B君にとって大切なのは、

客観的な視点から 「自分に声がかからなかった理由はなんだろう」、そして 「A君に声がかかった理由はなんだろう」と考える

ことです。
そうすると、自分には 「企画力が不足している」「プレゼンの説得力がない」とい った弱点が見えてきます。 そして、企画力がある人やプレゼンが上手な人を見つけて、その人の思考と行動をまねすれば、自分の弱みを克服して、効率的に成長できるのです。
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