2017年11月1日 更新

先入観を脱ぎ捨てる〜『お金原論』[第8回]〜

「お金」とは何か ── 。このシンプルな命題に、現代の視点から向き合おうというのが『お金原論』という新しい学問だ。現代において、私たちの生活とお金とは一蓮托生だ。お金の悩みから解放され、自由な時間を産み出し、心に描く夢のライフスタイルを実現したい。そんなあなたへ。

不動産で資産運用をしようと思ったとき、現金だけでは購入できる収益物件が限られて
しまう。しかし、金融機関から融資を受けることでレバレッジを効かせれば、自分が出せる資金の何倍もの収益物件を買うことができる。物件にもよりけりだが、しっかりと勉強してから臨めば、何十年にわたって安定した収入を得る仕組みを構築することができる。それこそ、コツコツと貯蓄をするよりもはるかに効率良く、老後の生活資金の準備をすることが可能だ。
翻って、住宅ローンはどうだろうか。
持ち家神話が浸透している日本では、住宅ローンを組むことに対する抵抗感がきわめて薄い。そのため、借金という言葉には悪いイメージを持っていても、こと住宅ローンに関しては例外、と思っている人が少なくない。「マイホームは資産になるから」と、当然のごとく30年、35年といった長期で住宅ローンを組む。
しかし、である。数千万円の住宅ローンを組んで購入したその不動産は、収益を生まない。つまり、返済の原資は、自分たちが働いて得る収入だ。買ったが最後、30年、35年と、毎月の給料から返済を続けなければならないのだ。
万が一のことがあって亡くなれば団体信用生命保険から保険金が下りるし、最近ではガンや脳卒中などの重大疾病と診断された場合にも返済を免除される住宅ローンも登場している。しかし、通常の病気やケガで仕事を長期間休まなければならなくなった、勤め先からリストラされた、両親の介護で仕事が続けられなくなった、勤め先が業績不振で給料が大幅に下がったといった場合に、代わりにローンを返済してくれる人は誰もいないのだ。
このように考えると、金額も大きく、返済期間も長期に及ぶ住宅ローンは、むしろ収益物件を購入する場合の融資よりも、リスクの高い借金ともいえるのだ。
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日本ではお金に関する教育が、義務教育でほとんど行われていない。したがって、両親からの教えが、私たちの先入観の多くを占めている。しかし、残念ながらそれは20〜30年前の生活環境に基づいた固定概念に縛られており、今の時代に適したものではない場合がほとんどだ。「お金の教養」を高めようと考えている私たちは、まずそのような先入観を捨てるところから始める必要がある。
お金はあなたを映す鏡
お金の使い方は、その人そのものを映し出す。本書は「お金の教養」を高めることの重要性について述べたものであるが、突き詰めて考えれば、お金はあなたの知性、思考、人間性といった「教養」そのものなのである。
だからこそ、先入観を捨て、内なる自分と対峙し、「一度しかない人生をどう生きたいのか」「自分にとっての本当の豊かさとは何なのか」を考え、それを実現できるお金の使い方をしていこう。
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(『お金原論』53〜57ページより転載)
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泉 正人 泉 正人