上司から見て「できない部下」とは?意外な評価ポイントで「できる部下」に

上司からみて「できない部下」とはどんな人?「言うことを聞かない」「仕事がスムーズに進まない」など、さまざまな観点から勝手に「できない」レッテルを貼っているのかもしれませんね。意外な視点から見た場合、伸びるきっかけになる可能性も。それは一体何なのでしょうか?

2019.9.26
複数の部下を抱える上司にとって悩みの原因となる、一部の「できない部下」。そもそもどんな人物が「できない部下」であり、その判断基準は何なのでしょうか? 今回は、できない部下をできる部下へと飛躍させるいくつかのポイントをご紹介していきます。

そもそも「できない部下」とは?判断する基準は多種多様

あなたが思う「できない部下」とはどんな人でしょう?まわりを見渡すと、以下のような項目をよく挙げられます。 ・何度言ってもできない
・いつも同じミスばかり繰り返している
・要領が悪い
・得意先とのトラブルが多い
・社内での連携が取れない
・やる気や覇気がなく、仕事に集中できているのか不安
どこの企業でもよく見られることかもしれませんね。何を以てして「できない」と判断するのかは、上司のタイプや性格・部署や仕事内容などによっても多種多様でしょう。 ただし、往々にして見られるのは、周りとうまくコミュニケーションが取れていない、仕事に対する熱意が感じられないといった総合的なポイントで、「仕事ができない」「仕事を任せられない」といった判断をしていることが多いのではないでしょうか?

部下が「できない」のには上司にも原因あり!

部下の仕事が進まない・できないことで、いつもイライラしている上司も少なくありません。しかし、部下ができない理由には、上司のマネジメント能力も深く関連しているのではないでしょうか。 そもそも、上司の言うことを聞かないのには、上司が部下から信頼を得ていない可能性もあります。上司・部下間でコミュニケーションがうまく取れていない場合、上司以外とはうまく連携できているケースも。仕事に対してやる気が起こらないのは、上司やリーダーがモチベーションアップのための工夫にかけているのかもしれません。 一概にすべてに対して「上司に問題がある」というわけではありませんが、「仕事ができない部下」だと判断する前に、上司としてのふるまい・行動について今一度振り返ってみる余地があるでしょう。

自分の中にある「常識」をリセットしてみよう

ここで、自分の中にある「できない部下」の判断基準・常識について、書き出すなどピックアップして考えてみてください。ごくごく一般的なものから、主観的な視点に偏った考え方も含まれているのではないでしょうか。 自分の中では当たり前である「常識」を、一旦リセットしてみましょう。部下に対して自分の物差しで評価してしまうと、相手を低く見てしまう、上から目線で見てしまうケースもよくあります。一度はすべて認め、その中でいいこと、チェンジしていくほうがいいことについて考えていくことが大切です。

部下の特徴・人柄を把握してみよう

人間の性格は十人十色。部下だって同じです。それぞれに長所はたくさんあります。これまで自分の物差しで「仕事ができない」と判断していた部下も、その色眼鏡を外すことによって長所・強み・魅力が把握できるようになってきます。 たとえば「やる気がない部下」に見えていた部下も、実は「コツコツと真面目に取り組む部下」だったということもあります。また、「言うことを聞かない部下」は「発想力が豊かで独創的な部下」かもしれません。 なかには「誤字脱字や数字のミスが多い部下」は、「電話応対が得意で、見えない相手とのコミュニケーション能力に長けた部下」という別の強みを持っている可能性もあります。まっさらな目で部下を見てみると、思わぬポイントで他の社員にはない強みを持っている可能性もあるのです。

できない部下も「報・連・相」ができれば伸びるチャンスあり!

往々にしてコミュニケーション能力に問題があると思われる部下については、きちんと報・連・相をできることからスタートしましょう。部下の中には正直に伝えることを恐れている・タイミングを見計らいすぎて伝えたくても伝えられていないといったケースも考えられます。 報・連・相ができることで、チーム内や上司・部下間でコミュニケーションの頻度がアップし、より綿密に仕事の進捗具合などを把握し合えるようになります。報・連・相について重要なのは、その内容や判断基準。部下が「これくらいなら大丈夫」と勝手に判断してしまわないよう、ある程度具体的な判断基準について上司・部下の間で共通認識を持っておくことが大切です。 報・連・相によって、できない部下も少しずつできる部下へ近づく可能性があります。

「ティーチング」でできる部下に育てよう

できない部下のなかでも「いつもミスばかり繰り返す部下」は、実はそもそものやり方を理解できていない可能性もあります。この場合、上司自身が実際のやり方を「教える」ということよりも、自分の力で学ぶこと、自主性を重んじる考え方を重視しているケースが少なくありません。 ビジネスシーンをはじめ、自主的な気づき・発展に役立つとして注目を浴びる「コーチング」ですが、コーチングはそもそもある程度「やり方」を理解したうえでさらに飛躍・発展するのに有効な手法です。やり方がわかっていない、そもそもできない人間にコーチングしていては、同じミスを繰り返してしまうのも致し方ないのではないでしょうか?
ティーチングとは、部下に対して上司が持つ知識や技術などを教えること。自主性がなくなるともいわれますが、まずはやり方がわかっていないようではその次のステップを踏むことはできません。 もしできない部下がいたら、現在の仕事の進め方ややり方を把握したうえで適切なティーチングをしてみましょう。基本のやり方がわかることで、自分で工夫し、応用を重ねていける力が身についていく可能性も十分あるはずです。
湊音

湊音

元総務・人事キャリアを持つフリーライター。これまでの経験を活かし、「仕事」「働き方」などのテーマを中心に執筆活動中。女性がのびのびと多様な働き方を実現できるべく、常に新しい情報をキャッチしています。
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