「自由」そして「ゆとり」とは
お金の教養を身につけることの最終ゴールは、経済的にも心理的にも自由でゆとりのある人生を実現することにある。
ここでいう自由とは、「自ら方向を定め、そこに向かって自ら歩んでいける状態」のことを指す。やりたいことを自分で定め、お金や時間といったものの制約を受けずに、多くの選択肢の中から実現に向かっていける状態こそが自由な状態といえる。
一方、ゆとりとは何だろうか。これは、言い換えると「自らが経済的・心理的に恵まれ、それを社会に還元できている状態」といえるだろう。
自分だけが経済的に豊かになったとしても、周りの人々や社会に対して何も還元できていない状態では、人はおそらく、経済的なゆとりは実感できても、心理的にはどこか物足りなさを感じるはずだ。これまで培った自分のスキルや経験を活用し、周りの人々や社会が必要としている価値を提供する。それが周りの人々や社会で活かされる。
こうした社会還元は、裏を返すと、自分が社会から求められるということでもある。そして、この「求められる」ということこそが、人生にとってかけがえのない、本物の「ゆとり」を生み出すのではないだろうか。
(『お金原論』165〜167ページより転載)
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泉 正人
ファイナンシャルアカデミーグループ代表一般社団法人金融学習協会理事長
日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。