SDGs(持続可能な開発目標)とは?
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
日本と世界の休暇の過ごし方
SDGsは、私たちの休暇の過ごし方とも深い関わりを持っています。
旅行サイトや人気ランキングを見ると、日本の休暇の過ごし方で多いのは、
・温泉地や自然の多い場所、リゾート地での滞在・体験・観光
・テーマパークや大きな公園で過ごす
・各地の人気の飲食店を巡る
など。
ヨーロッパでは、
・自然の多い場所やリゾートホテルでのんびり滞在
・豪華客船でクルーズ
・パーティーに参加
などとなっています。
私たちの休暇が観光産業と切り離せないことが分かります。
レジャーによる見過ごせない汚染の実態
ところが、2019年にこの観光産業でSDGsを無視した行為が発覚しました。世界最大のクルーズ運航会社「カーニバルコーポレーション & PLC」傘下の「プリンセス・クルーズ」によるゴミ不法投棄です。同ブランドは日本発着の外国客船としても乗船客数第1位を誇ります。
豪華客船が海に不法投棄したのは、残飯やプラゴミ。不法投棄は恒常的に行われており、過去には石油の不法投棄と隠蔽工作で有罪判決も受けています。
海のプラゴミが環境を汚染し、生物たちを死に至らしめている問題は現実に起こっています。海への不法投棄を続ければ、いずれ海の生態系は取り返しのつかないほど壊れてしまい、ゴミが漂う波間をクルーズすることになるでしょう。このような方法での楽しみ方は「持続可能」ではありません。
レジャーにも持続可能性の視点を
電通による2019年の第2回「SDGsに関する生活者調査」によれば、SGDsの取り組みが期待されているのは、自治体や企業がメインです。しかし、個人でも17のゴールに関することを何らかの形で実践していると答えた人は約6割にのぼることも分かりました。ただ、家庭でSGDsに取り組もうとする場合、「具体的に何をしたらよいかわかりにくい」といった声が目立ちます。そこで、8月の長期休暇や秋の連休に合わせて、身近なレジャーから考えてみるのはどうでしょう。
たとえば次のような視点でレジャーを考えてみましょう。
・旅行会社や運営会社は乱獲・大量廃棄・不法投棄など自然や生態系を壊すことをしていないか?
・観光地で働く人々に対して低賃金や長時間労働など、不当な労働を求めていないか?
・世界遺産や文化財、公共施設を汚したり壊したりしていないか?
・人種や国籍、職業、宗教、その他の理由で他の人を差別していないか?
SDGsには日本人がこれまで「マナー」と呼んできた考え方も多く含まれています。まずは自分にピンとくるところから考え始めるとよいでしょう。
持続可能なレジャーは余暇を豊かにする
レジャーと観光産業は密接に関係しています。長期休暇や連休でレジャーの機会が増える時期、
SDGsに少し配慮してやり方を変えれば、そのレジャーはより長く楽しめる、持続可能なものになるでしょう。持続可能なレジャーが多ければ、私たちの余暇の選択肢も増え、豊かになります。
旅行会社や観光地を訪れる際には、ぜひ「今のやり方を続けて、20年後も同じように楽しめるだろうか」と問いかけ、多角的にプランを検討してみてください。
【参考】
・外務省「JAPAN SDGs Action Platform」、 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
・Trevor Nace「海にゴミを捨てまくる「豪華クルーズ船」企業の呆れた実態」、Forbes JAPAN、2019年6月15日、 https://forbesjapan.com/articles/detail/27824
・株式会社 電通「第2回「SDGsに関する生活者調査」を実施 —SDGsを知らない人も含めて、SDGsに関する行動を実践している人が6割存在—」、2019年4月22日、 https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M101216/201904225648/_prw_PR1fl_47uBKeVv.pdf