ビジネスマンが知っておきたい教養としての孫子の兵法

生き方
孫子の兵法は、アジアだけでなくヨーロッパにおいても多くの経営者や成功者に読まれている古典です。ビジネスマンであれば、教養として内容を知っておきたいところ。そこで、教養として抑えておきたいポイントを解説し、孫子の兵法がビジネスにどのように応用できるか紹介します。
2018.11.10

周到な準備が勝利を可能にする

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・兵は国の大事なり(計篇)
(意味)戦争は国の命運を左右する重大事

・彼を知り己を知れば、百戦して あやうからず(謀攻篇)
(意味) 敵と味方の実情をよく知れば、何度戦っても敗北することはない
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戦をするということは、費用がかかるだけではなく、国の存亡をかけた一大事でもあります。そのため、 孫子は戦が始まる前に、自軍と敵軍の状況を比較分析して慎重に作戦を立てることが重要だとしています。

人生で輝かしい勝利を得るために

戦における目標は勝つことですが、現代においても同じことが言えます。誰しも、できることならば幸せで成功した人生を歩みたい、人生において勝利を手にしたいと感じるものではないでしょうか。
私たちの人生は、そうした現代ならではの「戦に」勝つために、絶えず何かの選択と決断に迫られています。そして、浮き沈みの激しい時代、毎日が戦であると考え、自己実現の目標に向かって生きるのと、ただ漠然と一日を過ごすのとでは、数年後の自分の成長に大きな差がつくものです。
仕事にしても、生活にしても、達成したいことがあるのなら、実現に向けて多角的に検討し計画を立てていく必要があるのです。

自己実現を可能にする5つの視点

孫子は戦の前に、自軍と敵軍を徹底して比較分析することが不敗を可能にすることを知っていました。
ポイントは、「道」、「天」、「地」、「将」、「法」の5つの視点に立って計画を立てることです。この視点を現代に応用するなら、以下のように説明できます。
「道」とは、長期的なスパンで未来に続く自分の道を考えることです。10年後、20年後、30年後に自分がどうなっていたいかを考えることで、今なにをすべきかが見えてきます。
「天」とは、時代性を意味します。いつまでに自分がなにをするか、そしてその時の時代はどうなっているか、その時代のニーズは何かなど、時代を読む力が必要です。
「地」とは、自分が活躍するフィールドや分野のことを表します。ポイントは、得意とする分野であるか、競争が少ない分野か、また国際的にやりたいことが展開できそうかを検討することです。
「将」とは、将軍のことを指します。目標に対して今自分はどの位置にいるのか、そして目標に向かってどのように進むのかを判断します。
法とは、目標達成まで、自分を厳しく律することです。人は、知らないうちに怠けたいと思う生き物です。何かを成し遂げたいのであれば、代わりに何かを諦める潔さも必要なのです。

戦わずに勝ち、最上の利益を上げる

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・戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり( 謀攻篇)
(意味)戦争せずに敵軍を屈服させるのが最善である
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孫子にとって兵法の最善とは「戦わずして勝つ」ことです。戦うことは両軍に損失をもたらします。よく私たちは、野球やサッカーの試合などで、窮地に陥った状況から大逆転勝利を収めたものに注目しがちです。
しかし、大逆転というものは、監督の手腕によるものではなく、奇跡に近いものです。勝てる状況を作り出したうえで戦に挑むことが指揮官の務めです。いかなる危機的状況も起こさず、いつの間にか勝利しているような勝ち方が理想的といえます。
これはビジネスでの提案において同じで、人と争って貫き通す提案でなく、周りの状況やニーズを把握し、自分の提案が最善策と思わせる状況を作り出せる人が優秀だということです。

敵の裏を突き正面衝突を避ける

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・兵の形は、実を避けて虚を撃つ(虚実篇)
(意味)軍は、敵戦力の充実した箇所をさけ、手薄な箇所を攻撃すべし
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戦力差があっても、作戦なしで戦えば少なからず被害が生じ、利益を得ることが難しくなります。そこで孫子は、虚実という言葉を使って、正面衝突を避けるように提言しています。
ビジネスで言えば、競争相手の少ないところに参入することが大切です。誰もが儲かると思うことには、多くの人がすでに集まり、レッドオーシャンの様相を呈しています。
そのため、儲からないと思われているニッチな市場で、誰もがやろうとしないことを攻めるのが大切です。では、どうすれば誰もが思いもつかないことに気づけるのでしょうか。それは、常に常識を疑ってみることなのです。
ペットボトルのお茶や水が良い例です。お茶や水の飲料水は、タダで入手できる認識であったため、当初は売れないと思われていたのです。結果、ペットボトルの水やお茶は現在では当たり前のように普及しました。固定観念を覆す柔軟性や創造力が問われているとも言えます。
以上、孫子の兵法のポイントを解説しました。孫子の兵法で言われていることは、私たちの時代でも十分に通用するものです。実現したい目標があるのであれば、孫子の兵法の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

ユキヨシ

大学院修士課程修了(歴史学)後、そろばん指導講師、教育系のベンチャー企業を経験し副業ライターに。会社員時代に経営者の経営哲学に関心を持ち、中国古典思想の勉強を始め今に至る。

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