作業効率が上がるオフィスのデスク配置は?仕事別におすすめ紹介

春は、人事異動があり新人も迎えてオフィスの模様替えに良い季節です。デスクのレイアウトを変えると気分も働きやすさも変わるでしょうか? レイアウトは大きく分けて6つのタイプがあり、それぞれ一長一短と、職種や仕事の中身による向き、不向きがあります。

2019.4.8

「島型」はコミュニケーションがとりやすい

オフィスのデスクのレイアウトには、大きく分けて6つのタイプがあります。それを簡単にご紹介します。
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●島型(対向型) 日本ではオーソドックスなタイプで、グループごとに「島」の中で向き合います。島の端にグループリーダーのデスクがつくと、座ったまま簡単な会議ができるなどコミュニケーションがとりやすいレイアウトです。
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●同向型(並列式) 学校の教室のようにデスクを同じ向きに並べるレイアウトです。リーダー(管理職)のデスクは、学校の教壇のように部下全員に向きあうパターンもあれば、一番後ろから部下全員の背中を見ているパターンもあります。
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●背面型 お互いに背中を向けあうレイアウトです。小さな部屋であれば窓や壁に向かって座ります。デスクとデスクの間に仕切りを設ければ、仕事中に他の人の視線に邪魔されませんが、振り向けばコミュニケーションがとれます。
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●ブース型 デスクの仕切りが人の背の高さほどある「半個室」のタイプで、隣から見えにくいのでプライバシーが守られます。欧米発祥で外資系企業で好まれているタイプです。
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●クラスター型(左右対称型) 道路の上り線と下り線を走るクルマのように、左右のデスクがお互い反対向きで並んだタイプです。横を向けば、隣の人やその左右の人とコミュニケーションがとれます。
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●フリーアドレス型 デスクのレイアウトは島型ですが、各自の座席は決まっていません。必要なときに空いているデスクに自由に座り、ノートパソコンのケーブルをつないで使います。

6タイプそれぞれのメリットとデメリット

●島型(対向型)
メリットはコミュニケーションがとりやすいことで、少ないスペースを有効に使えます。デメリットは前の人の視線が気になり、プライバシーもあまり確保できないことです。
●同向型(並列式)
メリットは隣の視線を気にせずに仕事に集中しやすく、コミュニケーションもとりやすいことです。デメリットは管理職にいつも監視されているような感じがすることです。
●背面型
仕切りを設ければプライバシーを確保しやすく、集中しやすいのがメリットです。管理職の目が届きにくいのがデメリットです。
●ブース型
プライバシーの確保という点では最高点のレイアウトで、その分、個人が仕事に集中できることがメリットです。しかし管理職の目はほとんど届かなくなり、コミュニケーションもとりにくくなるのがデメリットです。
●クラスター型(左右対称型)
同向型のように仕事に集中でき、島型のようにコミュニケーションも良いというメリットがあります。半数は向きが逆なので管理職の目が届きにくいのがデメリットです。
●フリーアドレス型
レイアウト自体は島型なので簡単な会議などコミュニケーションをとりやすいメリットがあります。デメリットは長時間のデスクワークに向いていないこと、ロッカーなど私物の収納スペースを設ける必要があることです。

このタイプはこんな職種、仕事に向いている

●島型(対向型)
その場でコミュニケーションをとりやすいので、営業事務、総務、人事、経理など事務系のデスクワーク全般に向いています。
●同向型(並列式)
秘書室、コールセンター、カスタマーサービスなど、来客、電話やメールでの問い合わせ対応が多い職場に向いています。
●背面型
集中しやすく、コミュニケーションもとりやすいので、お互い相談しながら仕事をする企画、開発、設計のような職種に向いています。
●ブース型
個室に近いので、アイデアをひねり出す企画職や研究職のような、かなりの程度、個人の裁量に任されている仕事に向いています。
●クラスター型(左右対称型)
企画、開発、設計、デザインなど、個人で行う業務も、打ち合わせなどコミュニケーションも両方重視される職種に向いています。
●フリーアドレス型
外回りで不在にする時間が長いけれど、オフィスに戻ってきたら会議や打ち合わせをよく行っているような営業職に向いています。
このようにオフィスのデスクのレイアウトは、職種や仕事の中身による向き、不向きがあります。もしオフィスが「島型」のワンパターンだったら、並べ替えの「業務改善提案」はいかがでしょうか? コストをかけなくてもデスクのレイアウトを変えれば気分も変わり、業務効率がアップするかもしれません。
寺尾淳(Jun Terao)

寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。
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