「いつかは住みたい」ニュージーランドでの生活費

日本から飛行機で11時間、広大な自然に恵まれたニュージーランドには、毎年多くの人々が足を運んでいます。教育が充実していることから留学先としても人気があり、学生時代に訪れた経験がある人もいるのではないでしょうか。

2018.10.3
ニュージーランドは、国民幸福度や治安などのランキングでも、世界の中で常に上位に位置することで知られています。壮大な大自然の魅力だけでなく、国民の生活水準の高さも相まって、将来的に移住を考えている人も少なくないと思います。
今回は、いつかニュージーランドで暮らしてみたいという人のために、実際に生活する場合に掛かる生活費や日本との相違点を紹介します。
(※記事では1NZドル=75円とした場合で計算)

3大都市の家賃は割高

ニュージーランドの家賃は、日本と異なり“1週間単位”で設定されています。そのため、移住先の物件を探す際には、月換算で計算し直して検討する必要があります。
主要都市であるオークランドの場合、単身用の部屋ですと、週の家賃が400NZドル(3万円)前後の物件が多くあります。一見安く見えてしまいますが、これを月あたりに換算すると約12〜13万円となり、東京23区の中でも家賃の高い地域に匹敵する相場となります。
他にも、ウェリントンやクライストチャーチなどの人気の都市は、不動産価格が年々上昇しており、家賃も高い傾向にあります。しかし、これらの3大都市は、世界の中でも「住みやすい街ランキング」の上位に入る人気の街ですので、憧れの地に暮らしたいがために、多少の家賃の出費を我慢する移住者も少なくないようです。
どうしても家賃を抑えたい場合は、これらの3大都市から少し離れた郊外に住むことや、シェアハウスの利用をオススメします。

食材は“量り売り”で賢く購入

ニュージーランドには、日本のようにワンコイン以下で食べられるお店が少なく、どうしても外食が続くと食費がかさんでしまいます。街にある大衆的なレストランなどでも、ランチの値段は平均10〜20NZドル(750〜1,500円)で、ディナーとなると平均20〜40NZドル(1,500〜3,000円)ほどかかります。
食費を抑えたい場合は、なるべく自炊をして節約を心がけましょう。食材は、日本のようなスーパーマーケットで買うのが一般的で、「Count Down」「New World」「Pak n’Save」が3大スーパーとして知られています。
スーパーでは“量り売り(Bulk Foods)”が一般的で、自分が購入したい分をレジで量ってもらい、その分の代金を支払います。量り売りになっているものは、野菜や果物から、ナッツ・小麦粉・コーヒー豆・マカロニパスタ・お菓子まで様々で、例えばバナナは、房から1本だけちぎって購入することも可能です。上手に活用すれば、無駄を少なくできる上に、気になった食材を気軽に試すことができるメリットもあるでしょう。
果物は季節によって値段の変動が激しい分、上手に旬のものを把握しておけば、日本よりも安く手に入れることができます。日本でも有名なゴールドキウイは、時期によっては、1〜2kgの量を1,000円以下で買うことも可能です。
また、酒類の販売・提供には厳しいルールが設けられているため、見た目が明らかに大人であっても、年齢確認をされる場合が多くあります。よくお酒を飲むという人は、常に身分証明書を携帯するよう心がけて下さい。
これら買い物の支払いは、現金ではなくカードが主流です。クレジットカードのほか、口座の残高内で決済をする「EFTPOS」というカード(日本でいうデビットカードのようなもの)が多く使用されています。

給与は時給 最低賃金の高さは随一

実際に暮らすとなると、現地での労働環境も気になるところです。ニュージーランドの給与形態ですが、会社員も含め多くの人が時給で給料をもらっており、毎年のように国の政策で上昇の一途を辿っています。
政府は、2018年4月1日から最低時給を16.50NZドル(1,238円)にするとしていますが、これは20年ほど前の約2倍の水準です。会社側にとっては、最低時給のアップは経営を圧迫しかねないため、反対意見なども出ていますが、移住した者にとって、当初から高い時給で職に就けることはありがたいことですね。
また、ニュージーランド人は基本的に残業をしません。多くの人は、17時にはきっぱり仕事を終え、自宅で家族と夕食をとったり、休日はラグビーやマリンスポーツ、アウトドアを楽しんだりします。給料が時給制でサービス残業がないことなどは、日本の社会人にとっては非常に魅力的に感じられる要素の1つでしょう。
ちなみに、ニュージーランドは、1894年に世界で初めて法定最低賃金を確立した国でもあります。他にも、女性の参政権獲得や8時間労働の制定なども、この国が最初です。権利や平等のため、世界に先駆けて様々な施策が行われていることが、高い国民幸福度の理由なのかもしれません。
以上、実際にニュージーランドで暮らす際の目安をご紹介しました。日本より物価が高い側面もありますが、工夫さえすれば、豊かで充実した生活が送れるはずです。これらを参考にして、移住への第一歩を踏み出してみて下さい。
たけ
やま

たけやま

理工学部出身のライター。ダンスミュージック好き。
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