2019年2月13日 更新

働き方改革は、人材育成から。上司は成功経験も精神論も捨てなさい

あなたの会社に働き方改革の波は届いていますか? 働き方改革と共に人材育成改革の必要性も叫ばれる昨今、何から手をつけてよいか頭を抱える経営者も多いはず。そもそも働き方改革の目的は何でしょうか。なぜ人材育成改革が必要なのでしょうか。働き方改革と人材育成改革の関係を掘り下げます。

人材育成から自社の競争力を高めてきた企業の好例は小田急電鉄です。星野晃司社長は、人材育成においてコミュニケーションとスピードを重視しています。それは、「命令」ではなく社員の言葉を聴き、相談し、支援するとともに、社員からの提案やチャレンジに対してスピード感をもって応じるということ。結果、小田急電鉄は時代に合わせて変化すると共に社員から「いい会社だ」と言われるようになりました。
会社を改革できる経営者やマネジャーには具体的にどのような能力・スキルが求められているのでしょうか。いろいろあるかとは思いますが、少なくとも以下は必要でしょう。
・ 仕事の仕組みを変えて組織の生産性を高められる
・チャレンジ精神に応じられる
・多様性を受け入れられる
・部下の能力を引き出せる
・建設的な議論ができる
・部下の話を聴ける
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さらに見落とせないのが「採用」。自社をどう変えたいのか、どのような社員を求めているのかについて採用を行うメンバーや経営者が明確なビジョンを持つ必要があると、株式会社ビズリーチの酒井哲也氏は強調します。たとえばAI などの新しい技術を使えたり、自分の知識やノウハウを同僚と共有したり、専門分野同士の橋渡しができるような人物は、効率性の向上に貢献し、会社の競争力を高めてくれるでしょう。
もちろん、専門分野に深い知識をもちつつ他の分野との橋渡しができる人など、そうそういません。だからこそ、「A さんはこれが得意」「B さんはあれが得意」など、それぞれの特性を把握してマネジメントできる上司の存在が必要不可欠です。
少子高齢化の日本で、働き方の柔軟性や働く人の多様性に取り組むことは、企業の競争力を高めます。それには、まず経営者や上長が柔軟性や多様性という価値観にコミットしなければなりません。「働き方改革と人材育成改革を両立させるにはどうしたらよいか」という声が聞かれますが、そうではなく、人材育成改革あっての働き方改革なのだと認識を改める必要があるのです。
【参考】
首相官邸「働き方改革の実現」、
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html
日経ビジネス「生産性向上に必要なのは、働き方改革ではなく人材育成改革」、
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/18/bizreach/1217/
Executive Foresight Online, 「世界で勝てる人材育成企業をめざして【後編】「働きがい」で人材
を育てるワークスタイル改革」、http://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/16935532
日経ビジネス「小田急電鉄の星野車両が問い掛ける「働き方改革」前編」、
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/18/bizreach/interview10/

Anshi

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