あなたの常識が非常識に?「TO DOリスト」はもう不要かもしれない

タスク処理の効率化で生産性を高め、夢を叶え自由を手にする——TODOリスト(やることリスト)はその最も手軽な手段です。しかし近年、TODOリスト否定派が現れ、カレンダー方式へ移行。一体何が問題なのでしょう。カレンダー派の主張とTODOリストの本当の使いどころを掘り下げます。

TODOリストを作ってもほとんど処理されない……?

TODOリストを眺めると、前日のタスクが残っていることがあります。前日ならまだしも、数日前、1週間前、下手をすれば1ヶ月前のタスクが居座っていることも・・・。タスク・日記記録サービス「iDoneThis」の調査では、TODOリストの50%はリストが書かれてから1時間以内に処理される一方、41%は決して処理が完了されないという衝撃の数字が出ました。 TODOリストの問題として、次のような点があげられます。

• それぞれのタスクの期限や所要時間がわからない

• ぱっと見て簡単そうなタスクから処理されるので難しいタスクが居座り続ける

• 短くならないリストを見てストレスを感じる

皮肉なことに、TODOリストは「やるべきことリスト」ではなく「やりたいけどやれていないリスト」になってしまう場合が多いのです。

常識をアップデート「TODOリストからカレンダーへ切り替える」

NYタイムズのベストセラー作家であり、起業家として成功を収めたケビン・クルーズは、7人の富裕者、239人の起業家、13人のオリンピック選手、29人の成績優秀な学生に時間管理についてのインタビューを行いました。すると、TODOリストを使わずもっぱらカレンダーで時間管理をしていると答える人が多数。カレンダー方式のメリットは、タスクにかける時間を最初から確保できること、新しいタスクをどこに入れるか分かりやすいこと。
さらにクルーズによれば、完了したタスクよりも失敗したタスクや未完了のタスクの方が記憶に残りやすいという「ツァイガルニク効果」から受けるストレスを、軽減させることもできます。
カレンダーで行う時間管理の最小単位は15分。Googleカレンダーが好まれますが、バーティカル式の手帳でも可能です。重要なタスク・予定からカレンダーに書き込み、時間を「ブロック」。重要なものほど起床後のなるべく早い時間帯に入れます。日課や家事の時間が必要なら、それもブロック。1日の時間が視覚的に並ぶことで、タスクとその所要時間、残りの持ち時間が把握しやすくなります。
また、1日のうち2〜3時間を予備時間として確保しましょう。予備時間では、未完了タスクや飛び込み案件の処理、今後のスケジューリングを行えます。こうした予備時間があることで、「タスクが終わらない」というストレスも軽減されます。
「1日は1440分しかない」と言うクルーズ。この1440分をうまくやりくりするには時間の配分という意識が不可欠なのです。タスクや予定のための時間を予めブロックしてしまうカレンダー方式は、その要求に見事に応えているといえるでしょう。

TODOリストの本当の使いどころ

カレンダー派が指摘するTODOリストの問題点や、それを克服したカレンダー方式の時間管理には頷くところも多い——するとTODOリストはもはや用済みなのでしょうか。
TODOリストの大きな問題は、期限や所要時間が分かりにくく実行プランがないことでした。逆にカレンダー方式の利点は、それを明確に視覚化できること。ただ、カレンダー方式で所要時間5分以下の微小タスクを書き連ねるのは物理的に困難です。原因はカレンダー方式の利点そのもので、時間を長さまたは面積として捉えるから。しかし、リストアップするだけのTODOリストは、「書けない」という問題に直面することはありません。
つまり、TODOリストかカレンダーかの二者択一など不要。微小タスクをまとめて処理するための15分をブロックし、その時間になったらTODOリストに従って次々に処理していく——TODOリスト方式とカレンダー方式は排他的関係ではなく、補完関係にあるといえます。TODOリストの本当の使いどころは、締切りのあるブロックの中なのです。
1日1440分から睡眠時間や食事、家事等に要する時間を除いた持ち時間は720分程度。TODOリスト派はカレンダー方式による時間の視覚化を味方につけ、さらなる効率化を目指しましょう。
Anshi

Anshi

Webライター。ライフハック、健康、映画等の記事執筆。 より充実した素敵な生き方に——一過性のブームに流されない「選ぶ生き方」を掲げ、世の中に氾濫する雑多な情報から本当に役立つものをご紹介しています。
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